RECORD

Eno.896 百堂 巡の記録

d05.ぐるぐる

「たーだいまっと……なんだったんだろうな、さっきの目」

 人間、だとは思うけど。多分。
 あれが彼の神秘とかそんな感じなんだろうか、もしくは見間違いか。渦を巻く紅色は若干しっかりめに記憶に残っている。光の加減でああなることは果たしてあるだろうか?

 のそのそ廊下を歩く。
 この場所もそう言えば土地勘を微塵切りにしてしまうようなよく分からない場所のひとつだ、家主の自分は分かっているだけで。人間が来るようになったらもう少し簡易にしてあげるべきだろうか。
 襖を開けた向こう側では、四ツ目の同僚がお茶を飲んでいた。

「裏で光の加減も何もですよねえ」
「アンタそろそろ話の前後省くのやめなさいよ」