RECORD
Eno.26 朔 初の記録
朔初は赤色が嫌いだ。
空を染める夕焼けの色は、まるで太陽が最後の雄叫びを上げているようだった。
断末魔なんてたまんないな。
1日が死んでいく血潮の色だろう。
生命が引いていく。
朔初は赤色が嫌いだ。
真っ赤に燃えている太陽が空の布地を染め上げれば、まるで世界をこがらかして行くようだった。
春のときめきも、秋の寂寞もそこにはなく、ただ、死していく鳥を眺めているような、生々しいものが頭に浮かんでいた。
息が詰まる。
日は死んでいく。
朔初は赤色が嫌いだ。
だからあの逆さまの世界も、ずっと夕暮れと死した夜の浅さを繰り返していて、大嫌いだった。
非現実なものがいるというのも受け入れられないのに。
その終わりを繰り返している時間の流れが嫌いだった。
非現実をたらしめているのはいつだって全ての人に平等に流れている時間なのだと思う。
平等に行き届くもののそもそもの基準がくるっていれば、受け取る人間だって狂い始めるだろう。
まるで甘美な毒のように。
まわりきったらておくれ。
ここのつめ
朔初は赤色が嫌いだ。
空を染める夕焼けの色は、まるで太陽が最後の雄叫びを上げているようだった。
断末魔なんてたまんないな。
1日が死んでいく血潮の色だろう。
生命が引いていく。
朔初は赤色が嫌いだ。
真っ赤に燃えている太陽が空の布地を染め上げれば、まるで世界をこがらかして行くようだった。
春のときめきも、秋の寂寞もそこにはなく、ただ、死していく鳥を眺めているような、生々しいものが頭に浮かんでいた。
息が詰まる。
日は死んでいく。
朔初は赤色が嫌いだ。
だからあの逆さまの世界も、ずっと夕暮れと死した夜の浅さを繰り返していて、大嫌いだった。
非現実なものがいるというのも受け入れられないのに。
その終わりを繰り返している時間の流れが嫌いだった。
非現実をたらしめているのはいつだって全ての人に平等に流れている時間なのだと思う。
平等に行き届くもののそもそもの基準がくるっていれば、受け取る人間だって狂い始めるだろう。
まるで甘美な毒のように。
まわりきったらておくれ。