RECORD

Eno.60 千夜 理央の記録

『超能力』

北摩に来て僅か数日後の出来事であろうか。

突然倒れた見知らぬ爺さんを助けたと思ったらそいつは消えており。
爺さんを支えていた手は謎の光に包まれ。
不思議に思い、まだ近くに爺さんがいるかもしれないと
顔を上げれば。

そこは俺の存じ上げぬ風景であった。



幸いその後すぐに『神秘』に関わる関係者によって救い出され、
何事もなく表世界に脱出は出来たわけだが。
これで俺も『神秘』に関わる羽目になり、同時に『能力』に目覚めた。

それがなにか最初は分かっていなかった。
神秘管理局の調査資料室で片っ端から読み漁り、それはあっさり発見された。
俺が発現したのは『超能力』であると。


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『神秘』の中では比較的名を知られている『超能力』
能力のメカニズムが解明されていない事、昨今では飽きられたのか名を潜め埋もれた事。
それらもあり、まだそれなりの『神秘』として力を残している。
俺が使える能力は以下になる。

「念力」および「念動力」:サイコキネシス。
「超能力治療」:サイコヒーリング。
「透視能力」:クレヤボヤンス 。
「精神感応」:テレパシー。
「瞬間移動」:テレポーテーション。


俺が使えるのは現状この5つであり、今後増えるか減るかは定かではない。
これらは俺自身によるアレンジはほぼ利かずあくまでその能力としてしか利用できない。

「念力」は所謂物体を飛ばして攻撃するタイプではなく、場の物理法則を狂わせ
相手に触れずして物理的圧力をかけるタイプの力でありこれだけ少々特殊か。
俺自身で手を加えることはできないが、外部の外付けで強化が出来る事は分かったので
研究課で開発した電磁砲バズーカを利用すればより強力な範囲攻撃は撃てるようになった。
解明されてないもんをどうやって強化したのか?研究課の偉い人にしか分からんのだろう。

「超能力治療」と「透視能力」はほぼセット運用。
「透視能力」で患部を正確に引き当てそこを中心に応急処置や「超能力治療」で対処。
俺の裏世界での主な仕事はこの医療サポートになる。
前線での戦いや護衛を引き受けることが難しい分、後方にて確実に出来る仕事だ。
俺としてはこの能力が一番使いやすく、かつ役に立てていると実感できているからか
伸ばせるのであれば優先的に伸ばしていきたい能力ではある。

「精神感応」と「瞬間移動」は正直現状持て余していると言わざるを得ない。
「精神感応」は使いどころが難しい。
俺から一方的に言葉を投げかけたところで相手は「精神感応」をほぼ持っていないので
返すことも出来ずなんなら声をかけられて近くにいると勘違いする可能性もある。
というわけで今は宝の持ち腐れ状態と化しているようなもんだ。
「瞬間移動」は単純にデメリットが激しく、使った後の疲労感が大きい。
他の能力は大きなメリットもない分大きなデメリットもない普遍的な能力だが、
これだけ瞬間的にかなりの距離を移動できるため当然と言えば当然か。
まだ最高距離を試したことはないがデメリットのデカさを思うと進んでやりたいとは思わない。



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「超能力を使うたびに青い光だったり、紫がかった稲妻だったり…」


「あれは…悪くないと思う、童心に帰れるというか。あまり言えぬが」