RECORD

Eno.270 猫の記録

猫の記憶7

小さい頃、魚や猫になりたいと思った



自由に泳ぐ魚のように
沢山愛される猫のように。

しかし、人は人以外になれやしない



それが現実。
知っていた。
それでも妹は、ずっと、猫になりたいと言っていた。

あの子は猫になれたかな



せめてそうであったらいいなと思う。

猫は、だれからも愛される。
猫は、自由気ままである。
猫は、賢い生き物である。

だから彼女は憧れていたのだと思う。

「おやすみ、おはよう、またあした」



明日も、またその次の日も。
貴方が幸せに過ごせますように。

この言葉が言える、あたりまえって。凄く幸せなんだなって



最近とても感じるようになった。

猫じゃなくたってきっと、幸せになれるよ



もう言えないけれど。
もう伝えられないけれど。
そう思うから。

せめて自分がそうであろうと。
月の下、静かに呟いたのでした。