RECORD

Eno.1317 豊屋 矛楼の記録

知れずは知られず

望むなら望まれるわけではない。
将来の夢、友人、家族、生まれ持った素質も、愛でさえ。

望んだとて望まれぬことは、きっと珍しいことでもなかった。

故に人生なんてそんなものだ、と、諦めてしまうのも難しくはない。
おれはどの時点で諦めていたのか、だなんて誰も尋ねない。己でさえ。
知れぬことは知られない。

だからおれはおれを知らない。

「ほら、見えない。」