RECORD

Eno.26 朔 初の記録

とお






朔初の神秘はよくわからない。








あの夕暮れ時が延々と続くうんざりとした世界に触れている。
そこに触れた人間は似たようなものに陥るのだと聞いていた。
が、保護された先で検査されど、固有の神秘は見つからない。
ただ、神秘を帯びているのだということだけが示されていた。

朔初の神秘はわからない。
何を検査しても、何を試しても、いまいち、何がなんだかわからなかった。
だからそのうち開くかもしれないと。
希望的な曖昧な観測を立てられている。

その結果に対して、希望がないものだなと呆れたような心地になりながら。
そんな不思議なものになっていない自分に、安堵を覚えた。

気持ち悪い。不愉快。恐ろしい。

いくら現実世界では使えないとしても、夢のような魔法の力!なんてものが存在することが不快だった。
ありえないは受け付けない。平常に問題はない。



朔初は現実主義者の煮凝りだった。

まるで神秘を嘘だと指差す冷徹ものみたいに。