RECORD
Eno.182 ■■ ■一の記録
-60 1st_sin
俗に神童と呼ばれる類の子供だった。
末は博士か大臣かと期待の目を向けられる存在だった。
それゆえに、私は一つの罪を背負った。
数々の知識や技量の片端から吸収しては、決して忘れずそつなくこなす。
その驚異的な才覚は瞬く間に両親を虜にし、彼らはできる範囲で様々な投資を私に掛けた。
恵まれていたと思うし、私自身こうした発見や学習を非常に楽しんでいたことは間違いない。
数年後、弟が生まれた。
私に続くよう慎二と名付けられた彼もまた同様に、両親は期待を込めて投資を行う。
が。
彼は私ではなく、同時に彼は私ではなかった。
客観的に見れば優秀な部類だったかもしれないが、彼らの基準は既に私で狂わされている。
結果どうなったかは自明だろう。弟は兄の目線からでもはっきりとわかる程度の差別を受け続ける羽目に陥った。
両親も馬鹿ではないため事件に発展するほど露骨ではなかったが、その分陰湿で性格は悪い。
彼自身には何の非もない、何なら産み落とされたことすら彼らのエゴだというのに。
私さえいなければ彼はもっと幸せになれたのではないか? 幼心にそう感じた日が何度もあった。
私が弟を苦しませてしまったのだ。
末は博士か大臣かと期待の目を向けられる存在だった。
それゆえに、私は一つの罪を背負った。
数々の知識や技量の片端から吸収しては、決して忘れずそつなくこなす。
その驚異的な才覚は瞬く間に両親を虜にし、彼らはできる範囲で様々な投資を私に掛けた。
恵まれていたと思うし、私自身こうした発見や学習を非常に楽しんでいたことは間違いない。
数年後、弟が生まれた。
私に続くよう慎二と名付けられた彼もまた同様に、両親は期待を込めて投資を行う。
が。
彼は私ではなく、同時に彼は私ではなかった。
客観的に見れば優秀な部類だったかもしれないが、彼らの基準は既に私で狂わされている。
結果どうなったかは自明だろう。弟は兄の目線からでもはっきりとわかる程度の差別を受け続ける羽目に陥った。
両親も馬鹿ではないため事件に発展するほど露骨ではなかったが、その分陰湿で性格は悪い。
彼自身には何の非もない、何なら産み落とされたことすら彼らのエゴだというのに。
私さえいなければ彼はもっと幸せになれたのではないか? 幼心にそう感じた日が何度もあった。
私が弟を苦しませてしまったのだ。