RECORD

Eno.242 栗花落 浅葱の記録

04:解明

知ることは罪になりえるのか。
知ることは罪にはなりえない。
それは人間の欲求の一つで、光へと伸びる手なんだ。

光にずっとずっと、ずっとずっとずっと、手を伸ばすことは罪なのか。
そんなことはないよ。だって知ることは大事なことだ。大切なことだ。
たとえ人間関係がそのせいで壊れたって、光で壊れてしまうものなんてたかが知れてる。

両親の不倫について僕になにか罪はあるんだろうか。
なにもない。僕は僕で、僕らしく、ちゃんと期待に応えていた。
それなのにママは、パパは、家庭という僕のいる空間を蔑ろにしていたんだ。

だから僕は解き明かしてあげた。
だから僕は知らせて教えてあげた。
だから僕は二人の喧嘩を眺めていた。

ママもパパも酷いんだ。
どちらも酷いところがあったんだ。
だからしかるべき報いを受けなきゃならなかったんだ。



大丈夫、大丈夫、大丈夫。
僕が僕である限り、世の物理学が崩壊しない限り、世界が世界である限り。
大丈夫、大丈夫、大丈夫。



「だって、―――前にもやったんだからね」