RECORD

Eno.226 善阪八坂 蕪花の記録

【北摩テクノポリス探索・5月号提出記事】

つけもの 善阪― 伝統と革新が織りなす、心に染み入る味

 東京都○○区に本社を構える善阪(株)は、江戸時代から続く老舗の漬物店を起源とする食品メーカー。漬物を主力商品として製造・販売しており、企業スローガン「心に染み入る味を目指して」には、伝統の中で培われた深い味わいと現代のニーズを融合させる情熱が込められています。

 善阪(株)は常に新しい挑戦を続けており、特に漬物専用自動販売機の開発に注力。全国規模での展開に加え、漬物を身近に感じてもらうための新たな販路開拓にも積極的に取り組んでいます。また、現代的なアプローチを取り入れつつも江戸時代から続く伝統の味を守り抜く姿勢には、多くのファンを魅了しています。
 そんな老舗の味を北摩テクノポリスで味わう場所があります。



 創業当初の店舗は、北摩市にありました。
その店舗は2000年代初頭の北多摩区行政再編・併合に伴い取り壊しとなりましたが漬物を保存する蔵に関しては、当時の社長が「この蔵だけは絶対に取り壊してはならない」との判断を下し保存と再活用を決断。
 大規模な改装を経て、現在では学生や地元住民に親しまれる「つけもの喫茶」として営業を続けています。漬物に特化した喫茶店でありながら懐かしさと現代のエッセンスが交錯する独自の雰囲気が漂っています。

 この「つけもの喫茶」を営むのは、善阪の元社長である善阪八坂 柴名氏(88歳)。長年の経験と独自の接客スタイルで訪れる者に温かいひとときを提供し続けています。その”ユニーク”な接客と深みのある漬物は、まさにほっとする味わいでしょう。


神秘的な漬物 ― 善阪八坂家伝承の「善八坂漬け」
 善阪の歴史は、江戸時代にさかのぼります。創業家である善阪家は、当時「香の物(こうのもの)」と呼ばれていた漬物を神聖な供物として、地元の神社への奉納を担っていました。この奉納活動を通じて善阪家の漬物はただの保存食を超え、神の物こうのものとしての価値と力を持つようになりました。その奉納の功績が認められ、神名「八坂」を家名に加えることが正式に許されたほどです。

 そんな善阪の秘伝の漬物が善八坂いやさか漬け”
伝統的な製法は一子相伝で、詳細なレシピは厳重に秘されています。享保年間に記された古文書『香肴奉納抄』にも、その味わいが明すらして独り味はんと欲す。弥栄、星夜幽玄の肴なり」(神ですら独り占めしたいと思うほど、煌く味わいが尽きない漬物である)と称されています。

 しかし、現在全国展開している善阪の通販ページに八坂漬けはありません。会社へ問い合わせをしたところ、”善八坂漬け”は現在北摩テクノポリスの善阪でしか取り扱えないからだと回答が帰ってきました。――なぜか、その漬物は創業当初の蔵でしか作れず、味や香りは蔵を離れてしまうと毎回微妙に変化してしまうためです。
 この漬物を味わうためには、「つけもの 善阪」へ足を運ぶしかありません。

まさに北摩テクノポリスでしか味わえない贅沢な漬物を食べるため、足を運んでみませんか――

【記者の付箋が張られている】
――最近メイド喫茶になったっぽい。え~、折角歴史的にまとめたのに。
……どうすっかなー……