RECORD
Eno.59 墓畑次郎の記録
神秘(Mystic)への考察②
※本稿はFICSAによる独自視点に基づいた考察であり、各機関が秘匿する「神秘率の計測法」および「一般定義における神秘」とは大きく乖離している。
※また、この内容は世界観を押し付けるものではない。
閲覧制限
以下のページは、20██年██月█日に閲覧が制限されました。
閲覧には所定の申請手続きが必要になります。
また、いかなる形式においても持ち出しを禁止しています。
前稿では神秘に関して、また、神秘率のスケールやFICSAにおいての基準などを考察していた。
それを踏まえて機関が定説し蔓延させている、神秘率と神秘強度、および神秘断片について考察していく。
◉ 神秘率(Mystic Ratio / Mystery Exposure Rate)
神秘率とは、「対象がどれほど神秘に影響を受けたか」を数値化した概念であり、外部からの神秘的影響に対する「曝露量」や「浸食度」を示している。
パーセンテージで表現されることが多く、科学と神秘の境界における“存在の歪み”に応じて数値が変動する。
数値が高いほど「人間という存在定義」から逸脱する傾向が強くなる。
確認されている性質:
神秘率が高まると、対象は現実感を喪失し、幻覚・時間感覚の歪みなどの知覚異常が生じる。
異常現象を「常態」として受容する傾向が強まる。
一定値を超えると「怪異化」「神秘氾濫」などが発生する。
主観性が強く、観測者によって変動する
実在性よりも“影響範囲・波及力”に注目
例:
廃墟に残された謎の文字列 → 読む人により現象が異なる
神秘率90%の空間 → 科学機器が機能しない/感情の変調する
◉ 神秘強度(Mystic Intensity / Arcane Potency)
神秘現象そのものの「強さ」や「異常度」を指すと仮定する。
神秘率が割合を指すのであれば、神秘強度はそのまま濃度である。分かりやすい例でいうと、神秘率が「味覚としての濃度(感じられる影響)」だとすれば、神秘強度は「原液としての純度(影響力の源泉)」である。
自分という存在に、どれだけ神秘が「行き渡っているか」が神秘率。
内部にどれだけ純度の高い神秘が存在しているかが神秘強度だ。
ポテンシャル(神秘エネルギー)や神秘の質的深度に関わっている。
つまり、「神秘がどれほど現実を侵食・歪曲できるか」を表す。
神秘強度が高い存在とは、単なる「不可思議な現象」ではなく、存在そのものに深く神秘の原液(本質)が染み込んでいるものを指す。「土地神/地霊」や「認識系の怪奇」などは典型的な高神秘強度存在であると言えるだろう。
この二種は神秘が“付与された”存在ではなく、神秘がなければ成立しえない存在と言い換えてもいい。
神秘強度を上げる、ということは神秘に対する適正をあげる、あるいは迎合を意味している。
確認されている性質:
高いほど現象が物理法則を無視し、常識を超えた干渉を起こす。
現実改変・因果操作・精神侵食などが可能になる。
神秘存在の「現実世界での神秘率の減少」や「権能レベル」にも関係。
高いほど:一撃で物理的現象・精神・記憶を変える
客観的測定が可能(ただし、解釈は困難)
“即効性・変質力”を持つ
例:
神秘強度の高い遺物 → 触れただけで身体変異/時間歪曲が発生
高純度の神秘断片の取り込み → 所持者が異常進化/神格化する
◉ 両者の関係性と相互作用
もともと神秘というものは見るのもの神秘の感受性、認識能力の適性を求める。
高神秘強度の現象を「受け入れやすくなる(≠抵抗力)」ための神秘率なのではないだろうか。
例:神秘適正のない人間に、高神秘強度の現象は「根本的理解の不能」や「即死」レベルの認知のズレを引き起こす。
神秘率が高い者は、その現象を「視認・理解・干渉」することが可能である。
神秘強度の高い現象に触れると、神秘率が上昇する。
高神秘強度の怪奇と戦闘 → 神秘率の上昇
神秘率と神秘強度の関係性は、「未知の影響力」と「その影響力の濃度・実効力」の違いにあると考えられる。
また、これらに深くかかわるのが神秘断片───フラグメントである。
◆ 神秘の結晶化
フラグメント───一般的には「断片」「破片」「かけら」などを指す言葉だが、機関が名称づけたこの物質は神秘を持つ生物からとれる「神秘エネルギーの凝縮体」である。
これはいわば、宇宙や裏世界に流れる「超常の理」の断片が物質化したもの。
抽象概念の物質化や、現実に記録された異常であるといえる。
このフラグメントは神秘への媒介性を持ち、所有者の身体や精神を通じて「神秘強度の上昇」を起こす
先も述べたように、機関における定義では『神秘強度』はあくまでも神秘の拡張───濃度を指し示す言葉である。
いわば「神秘を圧縮し、個人の内部に挿入するZipデータ」だ。
それは便利なツールであると同時に、倫理的・精神的なリスクを孕んだ「ウイルス」になる可能性も含んでいる。
神秘強度の上昇は、対象(人間・物体・空間)がより濃密な「神秘的エネルギー」あるいは「異常情報圧」を内包・帯びることを意味している。
それは即ち、力の増大と引き換えに現実との齟齬、精神・肉体・因果律の破綻を招きやすくなる可能性がある。
フラグメントは神秘性を持つ生物に宿っていた神秘の「核」または「因子」である。
肉体、ないし魂に神秘を有する存在は、神秘的構造(Mystic Integrity)という「曖昧な詩のまとまり」を保持している可能性がある。
戦闘や精神的ショックなどでこの構造が破綻すると、保持していた神秘が構造を離れてフラグメントという形で剥離・脱落するのではと考えられる。
後天的進化の基盤物質でもあり、「神秘を経験・吸収・昇華すること」によってのみ取得できるため、生存競争ではなく精神進化の証拠として扱うことも可能であるか。
内在的神秘との親和性の共鳴を他者から得た神秘であげるということができる優れた物質で得あるといわざるおえない。
フラグメントとは、他者の崩壊に伴い現れる「進化の遺骨」である。
我々はその欠片を媒介とし、かつて断たれた原初の神秘との同調を再開することが可能となる。
神秘とは、かつて私は「曖昧な詩」に喩えたことがある。
ならば神秘断片とは、その詩が破られたときに露呈する「意味の裂け目」──物語の構文に異質な語彙が侵入するような断絶だと考えられる。
自分の存在という「自己物語」に、別の文体・意味・構文を接ぎ木すること。
結果、存在の一貫性は損なわれるが、表現力(=神秘強度)は増すのである。
──存在の一貫性を損なうが、表現力(=神秘強度)を増す。 神秘が死し、意味が剥がれた後に残る残滓に縋ること。それを私は必ずしも許容できない。 しかしそれは、無益な殺害ではない。 我々は彼らの神秘を──「回収」しているのだ。
──私の、怪人が。
※また、この内容は世界観を押し付けるものではない。
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申請受理
前稿では神秘に関して、また、神秘率のスケールやFICSAにおいての基準などを考察していた。
それを踏まえて機関が定説し蔓延させている、神秘率と神秘強度、および神秘断片について考察していく。
◉ 神秘率(Mystic Ratio / Mystery Exposure Rate)
神秘率とは、「対象がどれほど神秘に影響を受けたか」を数値化した概念であり、外部からの神秘的影響に対する「曝露量」や「浸食度」を示している。
パーセンテージで表現されることが多く、科学と神秘の境界における“存在の歪み”に応じて数値が変動する。
数値が高いほど「人間という存在定義」から逸脱する傾向が強くなる。
確認されている性質:
神秘率が高まると、対象は現実感を喪失し、幻覚・時間感覚の歪みなどの知覚異常が生じる。
異常現象を「常態」として受容する傾向が強まる。
一定値を超えると「怪異化」「神秘氾濫」などが発生する。
主観性が強く、観測者によって変動する
実在性よりも“影響範囲・波及力”に注目
例:
廃墟に残された謎の文字列 → 読む人により現象が異なる
神秘率90%の空間 → 科学機器が機能しない/感情の変調する
◉ 神秘強度(Mystic Intensity / Arcane Potency)
神秘現象そのものの「強さ」や「異常度」を指すと仮定する。
神秘率が割合を指すのであれば、神秘強度はそのまま濃度である。分かりやすい例でいうと、神秘率が「味覚としての濃度(感じられる影響)」だとすれば、神秘強度は「原液としての純度(影響力の源泉)」である。
自分という存在に、どれだけ神秘が「行き渡っているか」が神秘率。
内部にどれだけ純度の高い神秘が存在しているかが神秘強度だ。
ポテンシャル(神秘エネルギー)や神秘の質的深度に関わっている。
つまり、「神秘がどれほど現実を侵食・歪曲できるか」を表す。
神秘強度が高い存在とは、単なる「不可思議な現象」ではなく、存在そのものに深く神秘の原液(本質)が染み込んでいるものを指す。「土地神/地霊」や「認識系の怪奇」などは典型的な高神秘強度存在であると言えるだろう。
この二種は神秘が“付与された”存在ではなく、神秘がなければ成立しえない存在と言い換えてもいい。
神秘強度を上げる、ということは神秘に対する適正をあげる、あるいは迎合を意味している。
確認されている性質:
高いほど現象が物理法則を無視し、常識を超えた干渉を起こす。
現実改変・因果操作・精神侵食などが可能になる。
神秘存在の「現実世界での神秘率の減少」や「権能レベル」にも関係。
高いほど:一撃で物理的現象・精神・記憶を変える
客観的測定が可能(ただし、解釈は困難)
“即効性・変質力”を持つ
例:
神秘強度の高い遺物 → 触れただけで身体変異/時間歪曲が発生
高純度の神秘断片の取り込み → 所持者が異常進化/神格化する
◉ 両者の関係性と相互作用
もともと神秘というものは見るのもの神秘の感受性、認識能力の適性を求める。
高神秘強度の現象を「受け入れやすくなる(≠抵抗力)」ための神秘率なのではないだろうか。
例:神秘適正のない人間に、高神秘強度の現象は「根本的理解の不能」や「即死」レベルの認知のズレを引き起こす。
神秘率が高い者は、その現象を「視認・理解・干渉」することが可能である。
神秘強度の高い現象に触れると、神秘率が上昇する。
高神秘強度の怪奇と戦闘 → 神秘率の上昇
神秘率と神秘強度の関係性は、「未知の影響力」と「その影響力の濃度・実効力」の違いにあると考えられる。
また、これらに深くかかわるのが神秘断片───フラグメントである。
◆ 神秘の結晶化
フラグメント───一般的には「断片」「破片」「かけら」などを指す言葉だが、機関が名称づけたこの物質は神秘を持つ生物からとれる「神秘エネルギーの凝縮体」である。
これはいわば、宇宙や裏世界に流れる「超常の理」の断片が物質化したもの。
抽象概念の物質化や、現実に記録された異常であるといえる。
このフラグメントは神秘への媒介性を持ち、所有者の身体や精神を通じて「神秘強度の上昇」を起こす
先も述べたように、機関における定義では『神秘強度』はあくまでも神秘の拡張───濃度を指し示す言葉である。
いわば「神秘を圧縮し、個人の内部に挿入するZipデータ」だ。
それは便利なツールであると同時に、倫理的・精神的なリスクを孕んだ「ウイルス」になる可能性も含んでいる。
神秘強度の上昇は、対象(人間・物体・空間)がより濃密な「神秘的エネルギー」あるいは「異常情報圧」を内包・帯びることを意味している。
それは即ち、力の増大と引き換えに現実との齟齬、精神・肉体・因果律の破綻を招きやすくなる可能性がある。
フラグメントは神秘性を持つ生物に宿っていた神秘の「核」または「因子」である。
肉体、ないし魂に神秘を有する存在は、神秘的構造(Mystic Integrity)という「曖昧な詩のまとまり」を保持している可能性がある。
戦闘や精神的ショックなどでこの構造が破綻すると、保持していた神秘が構造を離れてフラグメントという形で剥離・脱落するのではと考えられる。
後天的進化の基盤物質でもあり、「神秘を経験・吸収・昇華すること」によってのみ取得できるため、生存競争ではなく精神進化の証拠として扱うことも可能であるか。
内在的神秘との親和性の共鳴を他者から得た神秘であげるということができる優れた物質で得あるといわざるおえない。
フラグメントとは、他者の崩壊に伴い現れる「進化の遺骨」である。
我々はその欠片を媒介とし、かつて断たれた原初の神秘との同調を再開することが可能となる。
神秘とは、かつて私は「曖昧な詩」に喩えたことがある。
ならば神秘断片とは、その詩が破られたときに露呈する「意味の裂け目」──物語の構文に異質な語彙が侵入するような断絶だと考えられる。
自分の存在という「自己物語」に、別の文体・意味・構文を接ぎ木すること。
結果、存在の一貫性は損なわれるが、表現力(=神秘強度)は増すのである。
──存在の一貫性を損なうが、表現力(=神秘強度)を増す。 神秘が死し、意味が剥がれた後に残る残滓に縋ること。それを私は必ずしも許容できない。 しかしそれは、無益な殺害ではない。 我々は彼らの神秘を──「回収」しているのだ。
──私の、怪人が。