RECORD

Eno.32 不藤識の記録

record. 『逆夢』

 貴女が言った。

「髪型はちょっと遊びがある方が良いかな。
 やっぱりちょっと可愛すぎる部分はある」



 自分は童顔で、髪型込みで可愛い側だと。
 洋画を見る度に役者のイケメンっぷりが羨ましくなることはあるけれど、それはそれとして。
 君がそういうのなら、君の言うとおりに試行錯誤しよう。あぁ、そうだ。プールでは前髪も濡れるから、ちょっとやりやすく耳の後に流してみるか。


 貴女が言った。

「そんな大層なコトしてくれんならもっと色んな顔して見せてよ」



 自分の表情は、確かにいつも薄い。
 満面の笑み、とかいう言葉は全くもって似合わないのだろう。そのくらい、印象が無い。自分でもそうだ。
 だから、表情の練習をしよう。
 もっと歯を出して笑ってみたり。ウィンクとか、軽めの動作もしてみたり。できる限り、自分の感情を大袈裟に。表に出してみよう。
 そうしたら、色んな表情が身につくと思うから。


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 プールでは色んな人の顔が見れた。
 魔術師は素が出ていたな。また夏にサーフィン教えろって言うけれど、どうかな。まだ初心者だし、最初からやり直しかも。
 先輩はいつも通り、通常運転だった。
 最後アイス奢れって言われた時は悩んだが、何。結果が良き方に進むなら大丈夫。
 会長とのツーショットも、嬉しかったな。