RECORD

Eno.139 浮季草 斂華の記録

剪定、あるいは芽かき、あるいは摘果。それと徒花。


 剪定

 無駄な枝を切って、樹木の姿を整えたり、病害虫を防ぐために風通しを良くしたりすること。

 徒花
 咲いても意味が無い花。実をつけない無駄な花。あだばな。



 人間も同じ。
 爪を切る。伸びすぎたら危ないし、不衛生だから。
 髪を切る。伸びすぎたら邪魔だし、暑いし、洗うのが大変だから。
 ムダ毛を剃る。祖先の頃は必要な機能だったみたいだけれど、今は邪魔だから。







 ────だから、この無駄に大きくなっていく邪魔な膨らみも、切り落としてしまえ。



 そう考えた事を、風呂場で鏡を見る度に思い出す。

「……痛かったなあ。」


 痛みで正気に戻って、中途半端に残った傷痕は、元の価値観の残滓の様だった。