RECORD

Eno.427 大狼拾希の記録

X/2:■■拾希

人のいない街を彷徨い歩く。

自分が何だったのか思い出せない。

頭が熱い。情報が求めていないのに流れ込んでくる。

寒い…寒い……寒い……極夜夜空が僕を見下ろしている。
彷徨い歩いても一向に朝が来ない。
寒い…寒い………それでも頭は熱い……体も熱い……

熱さと寒さが同時に襲い来る。耐えられない。
耐えられないのに体は歩みを止めはしない。

見上げるとそこにそれは立っている。

「諤昴>蜃コ縺帙?ゅ◎縺励※縲∵ュゥ縺咲カ壹¢繧」



それはまるで、そこに立ち止まり続けるなとでも言うように。

歩き続ける。

何かが視界の端にいたかもしれない。

人だったものが転がる街を彷徨い歩く。

目が見えなくなっていく。

誰かの叫び声が聞こえる。

大勢の叫び、悲鳴、何かが飛び散る音。

「にゃーぉ」



間の抜けた何かの声が聞こえた。

閉じかけていた目を開き、顔を上げると………

とてもとても大きな黒猫が、僕を見下ろして、その口を開け―――