RECORD

Eno.298 壱 雨音の記録

逆光のエクスポーシュア【前】

その日、私は本当の自分を隠すことにした。

自分の無力を知ったからだ。

誰かが悪い訳では無い。

でも自分の身の安全は自分で守らないといけない。

私は見たからだ。

己のことを顧みず、衝動に身を任せたものの末路を。

哀れだった……

本当に哀れだった……

私には分かるからだ。

あれの心の奥底にはまだソレが残っているのを。

今はただ眠っているだけにすぎないのを知っている。

私もあの悍ましいものの片鱗を持っているからだ。

だから今はまだ…

まだ悟られてはならない。

いつか全てを取り戻すためにも。

私は何も覚えていない。

私は何も知らない。

それを演じ続けよう。

時が満ちたら。

全てを取り返そう。

そして今度こそ




























復讐してやろう。