RECORD

Eno.43 神林 雨の記録

ずっと変なものが見えている

生まれも普通で、ただの神社を管理する家系で、神職とかそういうわけでもなくて。
時々神の居場所である社を掃除したり丁寧に扱うだけの家。

私もそういう人の一人でしかなかったのだけど。
幼少期からずっと、奇妙なものを見ていた。
普通の動物と違う形の生物、夢で見るような綺麗にも思える色、狐騙しのよな景色。
子供心に興味を持って触れにいったり、それを親に伝えたりしていた。

当然ながら気味悪がられた。
あってはならないことのように。

言えば言うほど家族たちは距離を置いたり経済的束縛を増やしていく。
理由なんてない、人格否定の言葉も添えて。
神社の神についても教えてくれなくなってきた。
そもそも、私が動くこと自体を恐れているようにも。

そして、幼少期から触れてきたものが神秘だと気付いたのは割と最近のこと。
大学の寮生活を自力で始めてから。

裏世界とやらにうっかり迷って、知らない人を見つけて質疑応答を。
それで、これが異常事態であることを漸く理解した。

そういう星の下に生まれたならどうしようもなかった。
だからといって、家族を許すことはできないけれど。

今は、特に問題なく落ち着いてるのだから。
今後どうなるかは、何一つ想像できないことだけが怖かった。


……そういえば。
裏世界に迷い込んだ時、真っ暗な色合いで宇宙のような見た目の猫がいた。
どういうわけか、ずっとこちらをみているのだけれど。
どこに居てもなぜか視線をずっと感じている。
あれもきっと神秘なのかな。