RECORD

Eno.60 千夜 理央の記録

精神痛感

俺は癒し手メディック
戦場において皆の命を繋ぐもの。

最前線で体を張る護衛タンクを筆頭に攻撃手アタッカー狙撃手シューター
魔術師マジシャン阻害者ジャマー…そして時には同胞の治癒師メディック
怪奇の手強さは事前に聞いていたため俺が力になれるかは不安さはあったが、
それでも役に立てればと一番この力が生かせる癒し手メディックを志望した。

最善を尽くしたつもりではあった。
それでも怪奇は時折あの手この手でこちらの手を煩わせ、時にー…

俺の力が届かず、目の前で倒れていく者の姿を。
この数日で何度目にしたことだろうか。

覚悟はしていたつもりではあったが、実際に目にすると堪えるものがある。
力を発揮できぬままに倒れていく者をあと少しでも早く癒すことができればと、
俺が事前にあと一歩踏み込んでおけば動けていた者もいたのではないかと。
精神的に追いつかなくなり、戸惑えば。俺の超能力チカラもリンクして弱まる。

とにかく場数を踏み、まずは現場に慣れねば。
倒れても倒れても立ち向かうような人間は稀だ。
大体の人間は倒れたらそこまでであり、もう立ち上がる事さえできない。
だからこそ癒し手メディックが必要になってくる。
前線を支える柱として俺達は存在するのであれば、心身ともに強くなければなるまい。
…つまり戦場に出たばかりの俺は、現実を見た俺は。
未熟さを痛感し、また己の弱さも改めてー痛感した。

「…あれからしばらく経ったか…」



「俺も精神的に大分成長したと思いたいが…」