RECORD
Eno.158 墨井 志世乃の記録
🧸
お父さんは、わたしに『決まりごと』を伝えるとき、
いつも、言っていることとは何か別のことを考えているみたいだった。

![]()
![]()

![]()
何か、たくさんのことを考えていて。
その中から、わたしに伝えなければいけないこと、伝えたいことを上手に選んでいる。
そんなふうに見えた。

考えることも、思うこともいっぱいで。みんなに追いつく前に、言葉に出てこないから。
わたしも、そうなりたいと思ったの。
---




裏世界、あざやかな夕焼けの場所。
わたしの鞄につけてる子たちはそこだと大きくなって、動いて、おまけに鳴くみたいだった。
ちょっとだみ声だけど…… とってもかわいい。
これって、ありえない。でも、ほんとだよ。 りよとに言っても、ぜったい信じてくれない!


キーホルダーの子でも、大きくなったらお部屋のぬいぐるみそっくり。
でもお部屋の子と違ってほんのりあったかくて、毛並みは少しざらざら。
人なつっこい野良猫をさわった時に似ている。
……そうなったらいいなって、思ってた。 思ってたから、そうなったのかな?
ひとりで行くのは少し怖かったけど。
この子たちがいるって知ったら、勇気も出るかな。


いつも、言っていることとは何か別のことを考えているみたいだった。

「しよの」
「もし、自分のやりたいことだけに夢中になって。
本当に大事なことをほったらかしにするようだったり、
誰かに迷惑をかけた時、自分のことばかりかまってしまうようだったらね」
「だったら?」
「……君の部屋をきれいに片付けなくてはならないし、
もっと私たちに見える場所に居てもらわなくてはならなくなるよ」
何か、たくさんのことを考えていて。
その中から、わたしに伝えなければいけないこと、伝えたいことを上手に選んでいる。
そんなふうに見えた。
「……だいじょうぶ。ちゃんとやれるよ、お父さん。
この子たちも、ほかのことも、大事にする」
考えることも、思うこともいっぱいで。みんなに追いつく前に、言葉に出てこないから。
わたしも、そうなりたいと思ったの。
---
「……」
「にゃー」
「ぬー」
* すねをこする *
裏世界、あざやかな夕焼けの場所。
わたしの鞄につけてる子たちはそこだと大きくなって、動いて、おまけに鳴くみたいだった。
ちょっとだみ声だけど…… とってもかわいい。
これって、ありえない。でも、ほんとだよ。 りよとに言っても、ぜったい信じてくれない!
「……さわっても、いい?」
* 競って身体を差し出す *
キーホルダーの子でも、大きくなったらお部屋のぬいぐるみそっくり。
でもお部屋の子と違ってほんのりあったかくて、毛並みは少しざらざら。
人なつっこい野良猫をさわった時に似ている。
……そうなったらいいなって、思ってた。 思ってたから、そうなったのかな?
ひとりで行くのは少し怖かったけど。
この子たちがいるって知ったら、勇気も出るかな。
「……うん。
ね、ひみつのお仕事、がんばろうね」
「にゃー」