RECORD

Eno.404 鋼牙 ユウの記録

迷光

…… ……

「いいよ、家誰もいないから。
 わたしと遊ぼ?」


中学3年になってからは、週末の放課後になると
日替わりで友だちと遊んだ。

お気に入りのファッション雑誌を毎月買っていれば、
女の子との他愛ない話題に困ることはなかった。

天気みたいに移り変わる意味のないおしゃべりも、
好きなクレープの味について議論するのも、
ゲームセンターの切れ味が悪いハサミでプリクラを半分こにする時間も、
何だかんだで愛していた。



……ただ、一人になると、
どうしようもなく寂しい気持ちに襲われる。

だからまた、携帯画面を明るくしてメッセージアプリに没頭したり、
趣味に打ち込んだり、
どうしても耐えられない時は、注射針より太いニードルを
真剣にカワイイ位置を探しながら耳に刺した。



心があの頃より落ち着いたのは、
夢中になれる麻雀や電気工学に出会ってからだ。

でも… きっと今もわたしは幼い子どもで、
成長の途上なのだろう。

大人になるってなんなんだろう。
自分の感情を解き明かすのは、電気回路を繋ぐことより
ずっと難しい。