RECORD

Eno.106 芟花艾の記録

𝘐𝘵 𝘈𝘭𝘭 𝘌𝘯𝘥𝘦𝘥, 𝘑𝘶𝘴𝘵 𝘓𝘪𝘬𝘦 𝘛𝘩𝘢𝘵

 
萌花の霊障体質は一向に収まる気配がない。
神頼みもあてにならないもんだ。

触れ、祓う。爺さんに教えてもらった祓いは言っても素人が齧っただけもので
萌花についている低級霊をちらほら、退けても、その日には新しいものを連れてきた。
俺がまだ萌花に触れるのを躊躇っているせいもある。
馬鹿だなぁ本当。

それでも、日常は何とか保ってた。
萌花はあれで丈夫だし、ふた月近く過ごして強くこの土地に影響を受けてるようにも見えなかった。
北摩に来てから父の代わりにと気負っていたところはあったけど、なんだかんだ
目に見えるところで萌花が笑ってくれてる、そのおかげで、俺も平穏な学校生活を送る余裕が出て来てたんだと思う。
友人と遊んで、時には気にかけて、飲みに行って。
普通の学校生活を少しは送っていいんだって。
そうしないと、萌花に変に思われるし。…そんな言い訳も添えて。





ただひとつ気になることがあった。

萌花にまとわりついてる、あの
いくら祓おうとしても祓えないあれ。




なんだ?


―――母さん、父さん?

…………………かみさま?








―――――萌花が裏世界で戦闘に巻き込まれた、と報告が入った。
あれ。アイツ、なんか大きくなってないか。