RECORD
Eno.427 大狼拾希の記録
X/3:■■拾希
降りしきる雨。
友人たちが呆然とした様子で座り込んでいる。
動かない■■を抱きかかえて、■■が泣いている。
見下ろすこちらに、喚き散らす。
![]()
動かない■■を見つけ、拾い上げてきたのは自分だ。
そして友人たちの元まで連れてきた。それだけのこと。
何故ついてきたのか。
彼女が言っていた言葉を思い出す。
![]()
泣き声、雨音、どろどろと濡れた泥に沈んでいく…彼女から流れ出る赤い―――
………。
悍ましいにおいが鼻を突く。
下水道に突っ伏したまま喉元に残る痛みと向き合う。
流れていく様々に溶けて、自身から出たそれらも消えていく。
それが世界に与える影響なんてきっとこれっぽっちもない。
どうかしている。
内側からの衝動は止められない。
だからこそ、常に平然と在らないといけないのに。
どうかしている。
眼の前にあの日一緒にいた此方側の友人が立っている。
![]()
どうか している。
瞬きするとそいつは消える。
内側からの衝動は止められない。
幻覚など初めて見た。
汚臭が鼻を突く。止めれていない。止めなくてはいけない。
ああ、先へ進もう。今度は大丈夫。
もうあの頃と違って、自分は一人なのだから。誰もついてなどこない。
だれも―――
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()
………。

![]()
手を引かれて歩く。
赤く染まった空の下。ふさふさとしたしっぽが眼の前をゆらゆらと触ってくすぐったい。
にっこりと振り返るその顔を、どこで見たのか思い出せない。けれど……そうか…
![]()
友人たちが呆然とした様子で座り込んでいる。
動かない■■を抱きかかえて、■■が泣いている。
見下ろすこちらに、喚き散らす。
「アンタが…自分だけで大丈夫って!!…だから■■は…!アンタを…探しに…っ…ああ…あああああ…!!」
動かない■■を見つけ、拾い上げてきたのは自分だ。
そして友人たちの元まで連れてきた。それだけのこと。
何故ついてきたのか。
彼女が言っていた言葉を思い出す。
「拾希は何でもできちゃうから、もしできないことにぶつかったとき苦労するわよ」
「これでも心配してるのよ!」
「もうちょっと…頼ったら?私とか私とか…私とか?」
泣き声、雨音、どろどろと濡れた泥に沈んでいく…彼女から流れ出る赤い―――
………。
悍ましいにおいが鼻を突く。
下水道に突っ伏したまま喉元に残る痛みと向き合う。
流れていく様々に溶けて、自身から出たそれらも消えていく。
それが世界に与える影響なんてきっとこれっぽっちもない。
どうかしている。
内側からの衝動は止められない。
だからこそ、常に平然と在らないといけないのに。
どうかしている。
眼の前にあの日一緒にいた此方側の友人が立っている。
「俺は、お前の力を信じていた。だから、お前に任せた。俺は皆を守り、お前は奴らを倒す。それだけのことだったのに、俺は…■■を行かせてしまった。止められたのに、行かせてしまったんだ。きっと…お前なら、それでも全て上手く解決してくれると…」
どうか している。
瞬きするとそいつは消える。
内側からの衝動は止められない。
幻覚など初めて見た。
汚臭が鼻を突く。止めれていない。止めなくてはいけない。
ああ、先へ進もう。今度は大丈夫。
もうあの頃と違って、自分は一人なのだから。誰もついてなどこない。
だれも―――
ねえ
「……やめろ」
どうしてあるきつづけるの
「……やめろ…って」
■■■、あなたはどうして―――
「やめッ!!―――ッ……誰…だって…?俺は……僕は……私……?…それは……誰の……?」
………。

「ひろき~!帰るよ~!送るよ~!おうちにかーえろっ!」
「………」
手を引かれて歩く。
赤く染まった空の下。ふさふさとしたしっぽが眼の前をゆらゆらと触ってくすぐったい。
にっこりと振り返るその顔を、どこで見たのか思い出せない。けれど……そうか…
このひとに、俺は拾われたんだった。
俺の名は……大狼拾希。
ねえ、そうだろう?―――■■■。