RECORD

Eno.60 千夜 理央の記録

降りぬ緞帳

子供向けの童話や物語は読みやすくハッピーエンドに味付けや時に改ざんはままある話で。
それが善し悪しだとよく大人側の話題に上る側もあるし、俺も聞いたことがある。
あくまで俺の意見だが未来が明るいエンドの方が見せたくなるかもしれない。
道中のハラハラも含め、読み終えたあとの弟妹の「よかったね」の笑顔にホッとさせられたものだ。
そしておそらくは俺も。
山あり谷ありはあれど、最後はハッピーエンドだったり何かしら希望が見えている方が好きだ。

だからだろうか。
全く解明の糸口が見えず戦いを続けるだけの裏世界での日々が多少なり不安ではあったことを。
市の要請に応え、任務にひたすら応じるその日々を疑問視していた。

だが今は多少なりとも希望というか。
これに挑んでいるのは1人ではなくまた裏世界に住む者も手を取って戦いに挑んでいるという事。
表世界と裏世界、互いの世界を守るために互いの協力を惜しまないのは
この都市のひとつの社会性だと改めて思う。
疎ましいだけだと思っていた『神秘』が、興味深い考えを持ってくる存在になり。
やがて俺のひとつの側面として在るものになるのはそう遠くなかった。

「…それに、無茶しがちな「奴」を止めるには『神秘』しかあるまい」


「世話が焼けるが…治療しがいがあるというものだ」