RECORD

Eno.10 戌ヶ追 朔也の記録

日記 そのいち

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オレがこの世界に来てから、今日で一ヶ月とちょっと!
ヒノモトとは色々勝手がちげーけど、オレ的には上手くやれてる気がするぜ!

っていうか、街がキラキラしてないのとみんなが着てる服以外はパッと見ヒノモトとあんま変わんないんだよなー。
2025年って言うと、オレからしたらすっげー昔のはずなんだけど……。
世界が違うと、こういうところも変わってくんのかな?

そういえばオレは今、束都中学・高等学校ってところに通ってるんだー!
この世界に飛んできた時に出会った千景のにーちゃんが、なんかこう、色々とりはからってくれた? らしいぜ!

どうやらオレみたいな他の世界から"世界の壁"を超えて来た"異世界人"はこの世界だと"神秘"って呼ばれてるらしくて、
表世界——えっと、普段オレたちが暮らしてる世界では"すじょー"を隠さなきゃいけないらしいんだ。
表向きには、この世界には獣人も半獣人も、神様も妖怪も怪異もいないとかなんとか。そういうことにしてるんだって。

だから今のオレは耳と尻尾を隠して、ふつーの人間のフリ!
……オレからしたら獣人も半獣人も人間だから、違いがよくわかんねーんだけどなー。
耳と尻尾くらいじゃねーのかな。それが大事なのかもしんないけどさ。

そうそう。この世界ここには"裏世界"って呼ばれてる場所があるらしいんだけど、
そっちだとヒノモトで言うところの神様とか妖怪とか怪異がいるらしいんだー。
オレがこの世界に飛ばされて最初に着いたのもそこらしくて、もしかしたら危なかったかもとか?

その話も書くと長くなっちゃいそーだし、とりあえずはこんな感じ! オレは元気にやってます!

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「……よしっと! ざっとこんなもんかなー」


「日記なんて書いたことねーけど、多分こんな感じだよな。
 そもそも読むのはオレじゃなくて父ちゃんだし。いい感じに"ほーこくしょ"っぽくなってるはず!」


「ちゃんと元気にやってるって書いたしなー。
 父ちゃんは心配性だけど、これで平気だろ。多分!」




「……あれ? でもこれを父ちゃんに見せる時には、オレはもうヒノモトに帰れてるわけだから……」


「…………」




「ま、いっか!」