RECORD
Eno.26 朔 初の記録
CASE:4
別に小さく笑ったのをみたからと言って、そこから当然大親友!
なんて話ではなかった。
そんなことがあったら飛んだ喜劇だろう。
それか、ギャグ漫画か。
ただ、あの子におはよう、の一言をいったら、おはよう、と返してくれるようになったのは、事実だった。
逃げずに、ただ、怯えと照れは滲ませて。
見上げてか細く言う姿は、やっぱり小動物のようだった。
「かわいい〜…!」
なんて、友人が深々言う姿は変に見えたけど。
確かに友人の趣味は、かわいいもの集めであったし。
アイドルも、どちらかといえば綺麗めな子たちより。
可愛いを売りに出している子が推しなのだと、動画サイトのURLを押し付けられたことがある。
それを考えれば、まあ確かに。
目をゆるゆる細めているのも、わからなくはないのだけど。
つまりは友人は、クラスメイトである彼女を推しているのであった。
だから、友達と言うには、ちょっと遠い。
話はするけど、彼女の友人は。
その時は、やっぱり私だけの席だったように感じていた。
そうやって仲良く話す様子が見られるようになったからから、クラスの周りの子も、チマ、チマと彼女に話しかけるようになっていた。
長い物には巻かれろって、これは意味が違うか。
大抵1人がきっかけとなって、それが漣のように広がるのはどこも同じらしい。
あの子に興味を持つ子も多かったのだ。
いつもファーストペンギンには誰もなりたがらないだけで。
身内で固まる中で、新しいお気に入りの子も探しているのだ。
だれもファーストペンギンにならなかっただけで。
「どこから来たの?」
「身長ちっちゃいねえ、よく制服あったね」
「名前、はつちゃんであってる?」
質問攻め、まではいかなくとも。
私たちが話すところに、明るい誰かの声が混じることは増えていた。
私たちと話すためではなくて、彼女と話すためなのだけども。
絶好の注目の的。
そんな子達に対して、彼女はやっぱり怯えるように眉を下げるのだけども。
逃げずに答えるようになっていたか。
いきなりそんな聞いてもねえ。
困るだろうと手は奥にしまってしまっていたのだけども。
私たちが聞かなかったことを周りが聞いてくるおかげで、私たちは彼女について少し知ることもできているのは、怪我の功名というか。
なんというか、やっぱり使い方が違う気がするけど。
「わたし、東京の、北摩の方からきました」
「はつ、で名前はあっています」
「制服は、一番小さいのが、なんとか」
一つ一つを丁寧に答えていく姿に、なんとなく微笑ましい心地を持って私は見守っていた。
ここまで我慢していた友人は、ここぞとばかりにあれこれ話を弾ませていたのだけども。
まっていましたと言わんばかり、好調にヒートアップしたところを私はひっぺ剥がして落ち着かせる。
「ごめんねはっちゃん、こいつがさ〜」
「こいつとはなんだよぉ」
「はっちゃんがマシンガントーク苦手なのわかってんでしょ」
はい….とわざとらしくしおらしくする姿に、くす、くす、とあの子は小さく笑って見せていた。
花笑む姿が愛らしい。
「…」
「いえ、お話、できて、楽しいのでっ」
「お話、好きなので」
「大丈夫ですよ」
「みなさん、いい人ですしね」
純真無垢。
見せつけられた心地になって、庇護欲を煽る。
見た目の愛らしさと、心の純朴さ。
人を疑うことなんてこれっぽちもしらないように。
空想上の令嬢のように淑やかに。
箱入り娘の御伽噺。
見せつけられた心地になって、その笑顔を見つめていた。
ああこれは。
可愛いもの好きは、そりゃほっとかないだろうな。
なんて話ではなかった。
そんなことがあったら飛んだ喜劇だろう。
それか、ギャグ漫画か。
ただ、あの子におはよう、の一言をいったら、おはよう、と返してくれるようになったのは、事実だった。
逃げずに、ただ、怯えと照れは滲ませて。
見上げてか細く言う姿は、やっぱり小動物のようだった。
「かわいい〜…!」
なんて、友人が深々言う姿は変に見えたけど。
確かに友人の趣味は、かわいいもの集めであったし。
アイドルも、どちらかといえば綺麗めな子たちより。
可愛いを売りに出している子が推しなのだと、動画サイトのURLを押し付けられたことがある。
それを考えれば、まあ確かに。
目をゆるゆる細めているのも、わからなくはないのだけど。
つまりは友人は、クラスメイトである彼女を推しているのであった。
だから、友達と言うには、ちょっと遠い。
話はするけど、彼女の友人は。
その時は、やっぱり私だけの席だったように感じていた。
そうやって仲良く話す様子が見られるようになったからから、クラスの周りの子も、チマ、チマと彼女に話しかけるようになっていた。
長い物には巻かれろって、これは意味が違うか。
大抵1人がきっかけとなって、それが漣のように広がるのはどこも同じらしい。
あの子に興味を持つ子も多かったのだ。
いつもファーストペンギンには誰もなりたがらないだけで。
身内で固まる中で、新しいお気に入りの子も探しているのだ。
だれもファーストペンギンにならなかっただけで。
「どこから来たの?」
「身長ちっちゃいねえ、よく制服あったね」
「名前、はつちゃんであってる?」
質問攻め、まではいかなくとも。
私たちが話すところに、明るい誰かの声が混じることは増えていた。
私たちと話すためではなくて、彼女と話すためなのだけども。
絶好の注目の的。
そんな子達に対して、彼女はやっぱり怯えるように眉を下げるのだけども。
逃げずに答えるようになっていたか。
いきなりそんな聞いてもねえ。
困るだろうと手は奥にしまってしまっていたのだけども。
私たちが聞かなかったことを周りが聞いてくるおかげで、私たちは彼女について少し知ることもできているのは、怪我の功名というか。
なんというか、やっぱり使い方が違う気がするけど。
「わたし、東京の、北摩の方からきました」
「はつ、で名前はあっています」
「制服は、一番小さいのが、なんとか」
一つ一つを丁寧に答えていく姿に、なんとなく微笑ましい心地を持って私は見守っていた。
ここまで我慢していた友人は、ここぞとばかりにあれこれ話を弾ませていたのだけども。
まっていましたと言わんばかり、好調にヒートアップしたところを私はひっぺ剥がして落ち着かせる。
「ごめんねはっちゃん、こいつがさ〜」
「こいつとはなんだよぉ」
「はっちゃんがマシンガントーク苦手なのわかってんでしょ」
はい….とわざとらしくしおらしくする姿に、くす、くす、とあの子は小さく笑って見せていた。
花笑む姿が愛らしい。
「…」
「いえ、お話、できて、楽しいのでっ」
「お話、好きなので」
「大丈夫ですよ」
「みなさん、いい人ですしね」
純真無垢。
見せつけられた心地になって、庇護欲を煽る。
見た目の愛らしさと、心の純朴さ。
人を疑うことなんてこれっぽちもしらないように。
空想上の令嬢のように淑やかに。
箱入り娘の御伽噺。
見せつけられた心地になって、その笑顔を見つめていた。
ああこれは。
可愛いもの好きは、そりゃほっとかないだろうな。