RECORD
Eno.270 猫の記録


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彼曰く。
酷く月が綺麗な夜だったという。
人が死んで星になるというのなら、手を伸ばして例え落ちたとしても、あの月に届く気がしたという。
その話を聞いて、妹の事を思い出したのは言うまでもなく。

自分もそうだったな、とぼんやりとそんな話を聞いていた。
なんでこの話題になったんだったかな、と記憶を巡らせ思い出したのは
自分の話を、彼に打ち明けた時だったのを思い出した。
その時に、そうだ。この人は自分たちに似ているのだと思ったのだ。
だからかな。
余計に家族のように思ってしまうのは。
境遇が似ているから?あり方が似ていたからかも。
わからないけれど。
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それが願っていることなのか、わからないけれど。
もしそうだったら、確かに幸せだったかも、とも思うけど。
今も十分幸せだからこそ、なんだかそんなものを見てしまうのが、嫌だった。
猫の記憶13

「白と黒の海を見た。満月が輝いていた」

「彼の話と、妹の事を思い出した」
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『アタシ、さ。昔、月に手を伸ばして、崖から落ちようとしたことがあったのよ』
彼曰く。
酷く月が綺麗な夜だったという。
人が死んで星になるというのなら、手を伸ばして例え落ちたとしても、あの月に届く気がしたという。
その話を聞いて、妹の事を思い出したのは言うまでもなく。

『あの時は、死にたいわけではないけど、生きる理由もなくってね』
自分もそうだったな、とぼんやりとそんな話を聞いていた。
なんでこの話題になったんだったかな、と記憶を巡らせ思い出したのは
自分の話を、彼に打ち明けた時だったのを思い出した。
その時に、そうだ。この人は自分たちに似ているのだと思ったのだ。
だからかな。
余計に家族のように思ってしまうのは。
境遇が似ているから?あり方が似ていたからかも。
わからないけれど。
あの水面に映ったのは、かこと、エンと、それから姉妹が家族のように過ごしている様子だった。
それが願っていることなのか、わからないけれど。
もしそうだったら、確かに幸せだったかも、とも思うけど。
今も十分幸せだからこそ、なんだかそんなものを見てしまうのが、嫌だった。
きっとまだ。まだ、会えるって思ってるからかも、な