RECORD

Eno.230 田中 二郎の記録

装備増強計画

裏世界というのは俺が思っていたよりも過酷な場所だった。
戦闘はほとんどさぶちゃんがやってくれるのだけれど、狙われるのは俺だ。
護衛とは一体なんだったのか。
囲まれてタコ殴りにされているところを他の人に助けてもらったのだって一度や二度じゃない。

「装備をもうちょっとなんとかしたいねえ。」

何度目かの戦闘の後、さぶちゃんはそう言った。
紙袋に色々入れて持ち歩いているようだが、基本的に表世界で用いる前提の物らしく、裏世界の敵にはあまり強くないようだ。

「でも経費で落ちないから、地道に依頼こなしてお金貯めて……って感じになるねえ。」
「経費で落ちないのか、裏世界での戦闘で使うのに。」
「他所は知らないけどねえ、僕は無理。立場もそんなに強くないもの。」

そしてお金周りはいつだって世知辛い。

「依頼報酬はじろちゃん名義になってるから、僕からあんまり強くは言えないけど……無駄遣いは控えてくれると嬉しいなあ。」
「……善処しよう。」

目標金額は18,500CR、モデルガンの購入となった。
これが叶えばきっとかなり動きやすくなるだろう。
おやつの購入等は我慢する必要があるけれど、まあ、そちらはどうしても必要なら両親に頼めば買って貰えるだろうから置いておこう。

……お金の問題に頭を抱えるさぶちゃんを見ていると、普通に人間なんだなあと思った。