RECORD

Eno.65 六道 朔夜の記録

無題

A4のノートが置かれている。



幼少から、怪奇が見えていた。いや、そもそも怪奇と見ていなかった というのが正しいかもしれない。
夜、眠くないからと、世話になっていた寺に貰った古い本を読み明後日は軽く叱られて。『鬼に怒られるぞ』とかなんとか。そんなものはいないと思っていたけれど。ふたを開ければ鬼どころか、お化けやら、動く人形やら、色々いたわけで。

別にそこに恐怖心はなかった。むしろワクワクしていた。自分の知らないモノが、本で読んだ空想と思われていたモノが、そこかしこに居た。

これを楽しまずに何とする!

そんな状況が日常と思っていたが、学校で学べば学ぶほど、それが異常と言えるものであることに気付かされた。
そう、元から。日常と思っていた。それでいいはずだ。神秘自体にはその認識でいいはずだ。

なら、この館の、この道場に対する親近感は何?
まるで私の本当の家とでも言わんばかりの。そうであることを肯定するかのような師匠の世話焼きも。
あの一週間でどうにかなる感覚だろうか。

わからなくなってきた。一旦やめよう。