RECORD
Eno.106 芟花艾の記録


萌花は何故、いつから裏世界に関わった?
どうやってその事態を切り抜けた。
俺と同じ、裏世界だの怪奇だの神秘だの、知識もなかった子が。



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相手は4つ下の高校生。大人げない敵意を向ける俺に彼は静かに、飲み込むように応えてた。
八つ当たりだった。こんなの。
残されたのは俺だけだからと頑張ったつもりで、萌花が来てからも目をかけていたつもりだった俺の。
結局妹をこちら側に関わらせてしまった俺の、八つ当たり。
無駄だったのかもしれない、北摩に来た2年間丸々。
最近の事象自体、才能のない俺にはどうしようもなかったことで
萌花を手元に呼んだこと自体が、余計なこと。
関わるべきでないのは、俺なんじゃないか。
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ふつーの大学三年生でさえ、卒論や進路のこと、行動もせずくだ巻いてるよ。
なのに裏じゃ、こんな子供が俺以上に覚悟決めてる。
傷つく覚悟も、報われない覚悟も、それでも首を突っ込む覚悟も。
俺にはそれがない。

ようやく一人歩きは慣れてきたけど、裏世界を歩くのはまだ怖い。
俺はこんななのに、妹も、周りの奴もどんどん裏世界に流れ込んでる。
もう聞きたくなかった。
聞いたところで俺の手に余るって。知ってたけど、
何とか出来るって思いこみたかった事は、全部俺の叶わない願望なんだって実感したから。
あいつらは北摩で平和にやってるよって思いこんで、
普通の生活に戻ってしまおうかって、一瞬、考えた。
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…………。
いい訳ないだろ!
わかった、わかったよ。現実逃避したって仕方ないって。
もう俺達は関わってしまった、これが現実だって。
出来ないなりに、俺は助けを求めなきゃいけなかったって、わかったから。

萌花の為にも、俺の為にも。
▶虎孟くん(ENo.323)、墨くん(ENo.75)お借りしました!
𝘐’𝘮 𝘕𝘰𝘵 𝘙𝘦𝘢𝘥𝘺, 𝘣𝘶𝘵 𝘐’𝘮 𝘔𝘰𝘷𝘪𝘯𝘨

「昨日の夜、学校帰り、萌花とその友達二人が” 迷子 ”になって” 襲われた ”。
一人は怪我を負い、『表の通り』に戻ってきた時には傷は塞がっていたけれど、
貧血が酷かったから、駆けつけた俺が神秘管理局救護室に運んだ」

「……意味わかる?」
萌花は何故、いつから裏世界に関わった?
どうやってその事態を切り抜けた。
俺と同じ、裏世界だの怪奇だの神秘だの、知識もなかった子が。

「……こうしたものに関わると、縁が出来るね。
管理局にも、裏世界に出入りする君とも、関わる程あちらの世界に引き寄せられるんだ」

「俺は萌花にそういうのと関わって欲しくない。
それらとは縁を切って、平和に、
普通の学生として生きて、大人になってほしい。
……言いたい事わかるかな、虎孟くん。」

「俺は君に、もう萌花と関わって欲しくない」
「――、――……」

「―― 構いません、自分は」
相手は4つ下の高校生。大人げない敵意を向ける俺に彼は静かに、飲み込むように応えてた。
八つ当たりだった。こんなの。
残されたのは俺だけだからと頑張ったつもりで、萌花が来てからも目をかけていたつもりだった俺の。
結局妹をこちら側に関わらせてしまった俺の、八つ当たり。
無駄だったのかもしれない、北摩に来た2年間丸々。
最近の事象自体、才能のない俺にはどうしようもなかったことで
萌花を手元に呼んだこと自体が、余計なこと。
関わるべきでないのは、俺なんじゃないか。
「ですが、」
「もし、これから先。 裏世界で、いや」
「……萌花さんが襲われる場に直面したなら、」
「―― 自分は、萌花さんと関わることを選びます」
「艾さんが関わって欲しくなかったとしても、
自分が力不足だったとしても、」

「何もせず、見過ごすなんて。
…………自分には出来ません」
ふつーの大学三年生でさえ、卒論や進路のこと、行動もせずくだ巻いてるよ。
なのに裏じゃ、こんな子供が俺以上に覚悟決めてる。
傷つく覚悟も、報われない覚悟も、それでも首を突っ込む覚悟も。
俺にはそれがない。

「聞けよ、聞きたくないこと。
もう彼女もお前も守られるだけの子供じゃないんだから」
ようやく一人歩きは慣れてきたけど、裏世界を歩くのはまだ怖い。
俺はこんななのに、妹も、周りの奴もどんどん裏世界に流れ込んでる。
もう聞きたくなかった。
聞いたところで俺の手に余るって。知ってたけど、
何とか出来るって思いこみたかった事は、全部俺の叶わない願望なんだって実感したから。
あいつらは北摩で平和にやってるよって思いこんで、
普通の生活に戻ってしまおうかって、一瞬、考えた。
「じゃあ、妹安全な所に閉じ込めて怖がって泣いてたら?」
「その間に全部俺が倒してくる」

「お前たち兄妹揃って向こう行く理由無くなるまで」
「裏世界殴ってくる」
「これでいいね?」
…………。
いい訳ないだろ!
わかった、わかったよ。現実逃避したって仕方ないって。
もう俺達は関わってしまった、これが現実だって。
出来ないなりに、俺は助けを求めなきゃいけなかったって、わかったから。

「このままじゃ情けないもんな。……ちゃんと向き合うよ」
萌花の為にも、俺の為にも。
▶虎孟くん(ENo.323)、墨くん(ENo.75)お借りしました!