RECORD

Eno.427 大狼拾希の記録

0/3:とまれ

一緒にラーメンを食べた。

笑っていた。

「■■■■になんか、ならなくていいから」



何だお前。

・・・・・・・・・。


皆で遊びに行った。

皆、笑っていた。

初めて海を見た。……いいや、これは海じゃない。
わかっているよ。



偽物の海からそいつは生えている。
何なんだお前。

踏み入れかけた足を引き、戻っていく。

ここから皆を見ていよう。

ああ、それでも…たのしいなあ。

・・・・・・・・・。

キャンプ場についた時、どこか気が重かった。

何か、昔こんなところで―――雨が降っている。

いや、降っていない。空はいい天気だ。

飯を食って、夜道に駆け出したアホを追いかけて、
行った先にもっとアホがいて、

ああ…たのしいな。

次の日も、ゆっくりと過ごして…
皆で準備したラーメンも無事に皆にご馳走できた。

皆楽しそうに笑って―――

雨が………降って………

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雨なんて降っていない。

キャンプファイアーをした。

少し話をして、少しだけ…色んなことを知ることができた。

一人では、知ることが出来ないことを知ることができた。


ああ…うれしい?そうか、うれしいんだ。これは。

楽しいなぁ 嬉しいなぁ


とまれ



瞬きをすると、眼の前のアザミが…今にも泣き出しそうな顔でこちらを見ている。
しかし、次の瞬間。口を大きく開けてケタケタと笑い、もう帰れと追い返してきた。

結局、なぜ商会があそこを抑えていたのか。
何故、商会の裏の仕事も引き受けている仲間たちが、
あんなに周囲を本気で哨戒していたのか。その理由は結局聞けずじまい。
聞いた所で、アザミは決して教えてくれない。昔からそうだ。

あいつは……いつだって…。

「とまれ。ここからさきには、いってはいけないよ。アザミちゃんとのやくそく」



わかったと頷くと、抱きしめて頭を撫でてくれた。
今となってはそんなことされたら全身がむず痒くなるからお断りだ。

けれど―――

送ろうか?と言わないあの笑顔を、何だか今はとても……怖く感じてしまっていた。