RECORD

Eno.427 大狼拾希の記録

■■海

音楽は好きだ。

学校をサボっていても。屋上でフケていても。町中を歩いていても。

兄ちゃんのお古のそれを耳に詰めておけば、世界は全てそれに支配される。

人より良い耳も何も気にならない。

楽器に興味を持つのだって必然的でしょ?

その楽器店の店主かな。少し幸薄そうな女の子。

勧められた楽器。それはベース。

何となく目についたものでもあるんだけど、それがとても気に入って。

お金が貯まるまで待って貰おうとでも思ったら、
弾きたい時には貸してくれるんだって。嬉しかったなぁ。

ああ…………なんだこれ。僕って誰だ?

大きな音が頭の中で響いている。

崩れた街。

崩れた世界。

赤い月が僕を見下ろしている。この月は本物ではない。それはわかっている。

ああ、そうか。君が僕を呼んだのか?

何か、キッカケがあったってことか。だったら丁度いい。

一つだけお願いをさせてくれ。僕を起こしてくれたお礼だ。

どうか、最期まで―――■■■いで歩き続けてくれ。

そうしたら、きっと………僕が、僕達が…君を助けてあげるからね。

■■■。