RECORD

Eno.75 鵲 墨の記録

薄墨の記録0

 
男は裏世界を歩く。

顔に掛かった紙を忌々しげに退けて先の門を見る。
門番に声をかけて今日やってきた者の特徴を尋ねる。
手を上げ次の検査日にと別れを告げ施設の中に入る。

その仕草は誰かを探していた。
諦めを帯びつつも、どこか、渇望するように。


1年と半年前。
鵲墨は初めてその日神秘に出会い、裏世界アザーサイドへと導かれ足を踏み入れた。