──いや、ありゃ夢か何かだと思ってんだが。
ちびっこの時、通学団で横断歩道渡って帰ってた中のことだ。
当時の俺は真ん中くらいの年齢でよ〜、自分より年下のやつには偉そうに、上には生意気聞いてたんだが。
まあただの帰り道だよ。まとまった人数でな。
夕焼けが眩しい日だったと思うよ。
俺んちがいちばんとおくて、だから最後に残るのは俺だけだ。
最後の一人と別れて、いっぽ、にほ。
さん。
そこの夕焼けは、やけに赤かったことを覚えている。
思わず俺は首を傾げちまったんだよ。
なんか変だぞって。
周りはやけに静かなようだし、夕焼けの色は変わってしまっていた。
それでも、見える景色は変わんねえから、家に帰ろ、と突き進んでいったんだよな。
お化けたちがいた。
いや、あんま覚えてねえんだ。
だから、お化けたちがいたとしか言いようがねえ。
お化けがいたんだよ、たしか。
俺は逃げたさ。
ランドセルなんか投げ捨ててやろうかと思ったが、そんな判断してる暇もなく、逃げていた。
足は普通の速さだもんだから、おっつかれるんじゃないかとおもって怯えていた。
いくら戻っても元の場所に辿り着けなくて。
ああこりゃ悪夢だなと判断していた。
あいつらは追っかけてきてなかったんだけども。
半狂乱の俺はひたすら、かけていた。
辿りつかない道を。
ただただ。
真っ赤に染まる世界で。
黒のランドセルは目立って。
「──まていそこの少年よ!!!」
──やたらと力強い声が聞こえている。
「そちらは帰る道ではないぞっ」
「──オレが案内してやろう!!!!」
──ただし約束だ良い子のきみ!!!
──ここで見たことは、全部夢だからなッ!
そう思いなさい。