RECORD

Eno.32 不藤識の記録

record. 『宝物』

 ふなまつり2日目の様子を記録しておく。
 一生大事にしたい思い出だったのでね。
 未来の自分よ、俺のはしゃぎっぷりを読み返した後、存分に恥ずかしがってくれ。


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 よすがと二度目のお祭りデート。
 早速ケンゴのファインプレーが光り、事前には着るつもりもなかった浴衣を着てくれた。
 俺はアイツに感謝しないといけない。
 よすがが世界一可愛いことを再認識できたので。ありがとう、世界。ウチの彼女がナンバーワンだ。

 クレープを一緒に買った。
 凄くデカくて、よすが一人じゃ到底食べきれないもの。異なるフレーバーでひとつずつ。
 当たり前のようにシェアしていたけど、今思えばアレも思春期の子同士なら恥ずかし喜ぶべきことなのだろう。全く気にしてなかったけど。
 それよりクレープが美味しいことしか頭になかった。甘味って凄いんだよな。本当に。
 特にあのいちごと生クリームのバランスが絶品で、配置も自分好みだったのかポイント高い。おかげで凄く食べやすくて助かった。

 舟流しをした。
 先日も端的に記した通り、ここで舟に託した願いは『よすがと、ずっと一緒にいられますように』なんだけども。
 尋ねられた時は、『よすがの無病息災』と答えたので。よすがの方からも、若干のクレームが入ったんだったか。
 そこから真面目な話を始めたのをよく覚えている。失うことを恐れ、悩むよすがにかけた言葉は……半分くらいは、元が他人の言葉だった。
 けど、その言葉が俺にとって学びになったから使い回しているわけで。今では、自分の言葉として消化できている。
 よすがにも伝わるといいな。この言葉を、いつか自分のものとして消化して欲しい。

 その後の記憶は若干フワフワしている。
 欲しいものは何か、と聞いてキスされた記憶がある。不思議な話だけど、今思い返すとなんとなく経緯と理由が理解できる。
 これを読んでいる未来の自分はどうだろう。もう少しちゃんと、よすがの事を理解できてているんだろうか。

 花火を見終える前にも、同じようにされたけど。途中でよすがが言いかけた言葉、今なら何となくわかる気がして。
 答え合わせは一生されないんだろうな。

 そうして花火を見終えたら後は帰宅するだけ。
 メインコンテンツはここでおしまい。

 この後、改めて生涯添い遂げる旨を伝えたり、寝不足になるまで一緒に夜更かししていたけれど、その辺はまたいつか。
 少なくとも、今日という日がここまでの人生で一番幸せだったのは確かだ。


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 さて。未来の自分よ。
 この事をよく思い出せただろうか。
 この日以上の幸福は見つかったかな?
 もし、君の脳裏になんらかの光景が浮かんだなら。俺はそれを楽しみにして日々を過ごすよ。