RECORD

Eno.270 猫の記録

猫の記憶17

裏世界、どこかの公園で。
かこと二人。

「なぁ、かこ」



優しい声で、かこに声をかけた。
どこかしょんぼりしていたから、目を合わせて。

「目の事、気にしてくれてるのか?」


「…うん。…かこのせい?」



無意識なのか、本当に違うのかはわからない。だから、そうだとも言えなかったけど、多分そうなんじゃないかな、とは思っていたから、多分複雑な顔しちゃったと思う。

「わかんない、けど…。もし、かこと同じ目になってるのなら」


「かこの見える世界が知れて、少し嬉しかった。まぁただちょっと、生活はしづらいな。えらいなかこは。慣れ、かもだけど」



かこは、なんだか驚いた顔をしていた。

「いつか、私の見る世界を、かこに見せてやれたらいいな。その為にもさ」


「その、能力?の使い方とかはわからんが、頑張って、自由に使えるように練習しないか。いくらでも私を使ってくれていいからさ」



かこは暫く嫌がっていたけれど、そのうち、しょんぼり、頷いた。
迷惑をかける意識が多分あるから、練習するの嫌なんだろうな。
だけれど、この能力は、人がいないと練習すらできないだろうから。

例えば電気をつけるときのスイッチみたいに、オンオフをするイメージ。
小さいかこに伝わるもので、なんとか説明してみたり。
お互いちょっとずつ、できるところから始めてみようって。

そうして、秘密の特訓が始まった。

「…まずは、目もだけど、こっちの裏世界にもなれないとだな」