RECORD
Eno.605 天宮 輝音の記録
夢の話
夜空いっぱいに星が瞬いている。
無数の星々は、まるで空の深淵に無限の光の粒を撒き散らしたかのようだった。
その下に広がるのは、どこまでも続く草原。風に揺れる草の穂先が、星の光を受けて銀色に波打つ。
少女はその草原に立っていた。裸足のつま先に冷たい夜露が触れ、ひんやりとした感触が伝わる。
見渡す限り、遮るものは何もない。ただ星空と草原だけが、静かに、果てしなく広がっていた。
少女はその景色に見入っていた。息をのむほど美しかった。
星空も、草原も、風の音も、全てが心地いい。
どれほどの時間、そうして眺めていただろう。
このままずっとここにいてもいい、そんな気さえした。
けれど、ふと気づく。
ここには、自分ひとりしかいない。
声も、足音も、ぬくもりも、どこにもなかった。
胸の奥に、ひとしずく冷たいものが落ちる。
星空の美しさも、草原の穏やかさも、その冷たさの前では何の慰めにもならなかった。
少女は歩き出す。誰か、誰かいないかと。
草を踏む音だけが、夜の中に消えていく。
歩いても、歩いても、景色は変わらない。
星は遠く、草は足元で揺れるばかり。
どこまでもどこまでも、孤独の夜。
誰もいない。誰もいない。
心細さが胸を締めつけ、とうとう少女の瞳に涙が滲む。
「寂しい」――そう思った瞬間。
瞼が重くなる。
暗闇の奥から光が差し込み、少女はゆっくりと目を覚ました。
朝の淡い光が部屋を照らし、夢の草原も星空も、もうどこにもなかった。
残ったのは、胸の奥の小さな寂しさだけだった。
無数の星々は、まるで空の深淵に無限の光の粒を撒き散らしたかのようだった。
その下に広がるのは、どこまでも続く草原。風に揺れる草の穂先が、星の光を受けて銀色に波打つ。
少女はその草原に立っていた。裸足のつま先に冷たい夜露が触れ、ひんやりとした感触が伝わる。
見渡す限り、遮るものは何もない。ただ星空と草原だけが、静かに、果てしなく広がっていた。
少女はその景色に見入っていた。息をのむほど美しかった。
星空も、草原も、風の音も、全てが心地いい。
どれほどの時間、そうして眺めていただろう。
このままずっとここにいてもいい、そんな気さえした。
けれど、ふと気づく。
ここには、自分ひとりしかいない。
声も、足音も、ぬくもりも、どこにもなかった。
胸の奥に、ひとしずく冷たいものが落ちる。
星空の美しさも、草原の穏やかさも、その冷たさの前では何の慰めにもならなかった。
少女は歩き出す。誰か、誰かいないかと。
草を踏む音だけが、夜の中に消えていく。
歩いても、歩いても、景色は変わらない。
星は遠く、草は足元で揺れるばかり。
どこまでもどこまでも、孤独の夜。
誰もいない。誰もいない。
心細さが胸を締めつけ、とうとう少女の瞳に涙が滲む。
「寂しい」――そう思った瞬間。
瞼が重くなる。
暗闇の奥から光が差し込み、少女はゆっくりと目を覚ました。
朝の淡い光が部屋を照らし、夢の草原も星空も、もうどこにもなかった。
残ったのは、胸の奥の小さな寂しさだけだった。