RECORD

Eno.223 宇迦盧 司の記録

雑念

その手を覆う黒に、既視感があった。

雑念だ似ている

その髪に揺れる花の名は、誰に教えてもらったか。

雑念だ似ている

その仮面の向こうは、どんな顔なのだろう。

機械ではない彼女の声は、一体どんな音色なのだろう。

虚飾のない表の姿は、果たしてどんな人なのだろう。



雑念だ似ている

雑念けれど雑念違う

雑念こんな所に雑念雑念居るわけがない



「……集中しろ。まだ役目は、山ほど残ってるだろ」



胸の中で溢れそうになっていたノイズを、仕事に集中することで洗い流した。
裏世界の脅威は、足を踏み入れてから大きくなっていくばかりだ。
だから今は身体を動かすべきだと。

いつか起爆する"それ"から……目を逸らした。