RECORD

Eno.242 栗花落 浅葱の記録

08:青空

 僕は、自分が観測者足りえなくなった時、酷く弱くなる。
 なにせ僕は所詮、高専二年生で、世界にとってはありきたりな子供の一人でしかない。
 僕には特別な力は何もない。何もないからこそ、何かを利用して強くあろうとするしかない。

 等身大の小さな女の子、それが僕だ。痛いのが嫌だから心を遠ざけて、知性と理性で守っているはずなのに、肝心の僕と来たら感情の処理がへたくそだから、今回のように自分で突っ込んでいって勝手に自分で傷ついていく。不器用も良いところだ、かわいくなんかない、いい女でもない。
 僕が抱いた知的執着は、結局のところ知的執着だったのかも分からない。分からないことは、恐ろしいことだ。恐ろしいことだけれど、その感情の出所をいくらバラしても、僕にはそれがあまり理解できそうにない。
 これが単なる興味と好奇心の話だったのか、あるいは、青空に憧れた僕が勝手に抱いていた恋心なのかも、よく分からない。

 分かるのは、ただ一つだけだ。
 次に彼に会うことが出来たら、もっと普通のお喋りをして、彼のことを知りたい。
 僕も彼も、相当不器用だけれども。