RECORD
Eno.230 田中 二郎の記録
佐武の記録3
裏世界での活動は、自身の存在が神秘に近付いてしまうリスクを伴う。
本日、田中二郎の神秘率が99.0%に到達した。
生身の人間であるし、ここから上がる様子も無い。
これで頭打ちであってほしい。
計測不可能な範囲にそれ以上の変化がある、という可能性もないではないが。
︙
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これだけ神秘を帯びても田中二郎に変化は無い。
本人に自覚できる範囲もそうだが、僕に観測できる範囲でも変化は見当たらない。
これが神秘との相性によるものなのか、僕の研究が功を奏して相殺されているのか、その理由まではまだわからないけれど。
何にしても、彼はボロを出しまくるやや気弱な普通の──中二病の度合いは普通ではないかも知れないが──男子高校生のままだ。
神秘のしの字も持たないただの人間のままだ。
本来ならば、神秘に触れぬまま生涯を終えるべき人間だったが……まあ、それは僕の与り知る所ではないのでさておき。
田中二郎が神秘を帯びるということは、同行している僕もまた同様のはずである。
実際、端末には神秘率99.0%の表示があった。
自覚できる範囲での異常は
──
ふと記録を付ける手を止める。
異常無し。
本当に?
わからない、自覚が無いだけかも知れない。
しかし「なんか変わった?」などと言われることもないし、……いや、些細な変化に気付いて貰えるような相手などいなかったな。
彼女とも別れて久しいし。

これは異常だろうか?
この年齢であの重労働で不調がまるでない、というのも妙ではないか?
しんどいよりはよっぽど良いから助かるけども。
ぐーっと伸びをひとつしたら、再び記録作業へ向き合おう。
どれ程些細であろうとも、記録しておいて損はない。
──
僕が自覚できる範囲での異常は以下の通り。
・重労働にもかかわらず肩凝りひとつ無い。
・その他年齢的に日常茶飯事だった筈の不調が減っている。
これを異常と取るべきか否かは諸説あるだろう。
しかし通常の生活ではまず有り得ないため、一応ここに記録しておく。
本日、田中二郎の神秘率が99.0%に到達した。
生身の人間であるし、ここから上がる様子も無い。
これで頭打ちであってほしい。
計測不可能な範囲にそれ以上の変化がある、という可能性もないではないが。
「もう慣れたもんだねえ。」
石材やらを紙袋へ回収し、端末を確認する。
「ふ~~~ん……じろちゃん体調とか大丈夫そう?」
同行者の言葉に首を傾げ、両手をぐっぱぐっぱ。
「自覚する範囲での異常は特に無いが……何かあったのか?」
「ううん、なんにもないならそれでいいんだ。
ほら、じろちゃん暑くても頑なにその服装だからそろそろ熱中症とかがね。」
これだけ神秘を帯びても田中二郎に変化は無い。
本人に自覚できる範囲もそうだが、僕に観測できる範囲でも変化は見当たらない。
これが神秘との相性によるものなのか、僕の研究が功を奏して相殺されているのか、その理由まではまだわからないけれど。
何にしても、彼はボロを出しまくるやや気弱な普通の──中二病の度合いは普通ではないかも知れないが──男子高校生のままだ。
神秘のしの字も持たないただの人間のままだ。
本来ならば、神秘に触れぬまま生涯を終えるべき人間だったが……まあ、それは僕の与り知る所ではないのでさておき。
田中二郎が神秘を帯びるということは、同行している僕もまた同様のはずである。
実際、端末には神秘率99.0%の表示があった。
自覚できる範囲での異常は
──
ふと記録を付ける手を止める。
異常無し。
本当に?
わからない、自覚が無いだけかも知れない。
しかし「なんか変わった?」などと言われることもないし、……いや、些細な変化に気付いて貰えるような相手などいなかったな。
彼女とも別れて久しいし。

「……そういえば最近肩凝らないな。
あんだけ石材回収しまくってるのに。」
これは異常だろうか?
この年齢であの重労働で不調がまるでない、というのも妙ではないか?
しんどいよりはよっぽど良いから助かるけども。
ぐーっと伸びをひとつしたら、再び記録作業へ向き合おう。
どれ程些細であろうとも、記録しておいて損はない。
──
僕が自覚できる範囲での異常は以下の通り。
・重労働にもかかわらず肩凝りひとつ無い。
・その他年齢的に日常茶飯事だった筈の不調が減っている。
これを異常と取るべきか否かは諸説あるだろう。
しかし通常の生活ではまず有り得ないため、一応ここに記録しておく。


