RECORD
Eno.26 朔 初の記録
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──神なんて、いない。
にじゅーご、
「………」
レジュメとノートは先輩に渡してしまった。
そんな夜のことだった。
もう内容はさっぱり覚えていない。
だからノーブルはすかなかった。
それは考え方の違いだから、そういう考えがあってもいいとは思うのだけど。
合わない。
神様なんていないと頭ごなしに批判をする。
そうであってもいいのだろうが、それすら気持ちの悪かった。
都合の良い解釈。
結局神なんていない証拠だろ、それは。
時代に合わせて教えが変わるなんて。
あり方の変化をするはずがないだろう。
神というものが絶対であり、厳格であり、唯一であるのなら。
どこまでも特別なら。
「………」
その後の話もくだらなかった。
ここにいるだけで私だろう。
私の名前は朔初。
朔初の存在は、役所に戸籍として存在している。
だからここに住めているし、さまざまな日常の手続きが行え、さまざまが享受できるのだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
アンカーは戸籍だった。
お役所仕事。
「…………………」
私が私をどう観測するか。
違う。私はここにいるだけで私なのだった。
観測は他者視点からしか行えないだろう。
それだけ。
それだけだ。
わたしらしさを見つめたところで何という意味のない。
海に錨はなかった。
降りていたものは軽かった。
繋ぎ止めは流れていった。
海の風は心地よい。
「……」
「寝よ」
休息を。
──神なんて、いない。

