RECORD
Eno.110 紅坂 一途の記録

「いやー、ご協力ありがとう!
君は面白い異能を持ってるねえ!
ここで研究職をしていても中々見ない類の力の持ち主だよ!」
あー……はは、そりゃどうも……
「神秘をただの箱の中に閉じ込めて置けるだなんてねえ!
この力、名付けるなら……魍魎箱、なんてのはどう?結構良くない?」
え、ああ、いいんじゃないですかね……?
それで、あの……
「ああ、はいはい!まだ軽い解析しかできてないけど、
とりあえずコレは君が持っていた方が安全だっていうのは確かです!
いやあ、観察中箱が開いたらどうしようかヒヤヒヤしたよね!
じゃあコレ、厳重に奥の方にでもしまっといてねー。うっかり開けたりしないように!」
……開いちまったらどうなるんです?
「まだその辺りは確信が持てないけど、たぶんえーっと……大御門錦慈くん、だっけ?
彼の元に閉じ込められてるものが戻る可能性がとっても高い!
つまりは、鬼怒川くんたちの報告にあった状態に彼が戻っちゃう、ってことかな!」
そう、ですか……
「いやーしっかし無茶するもんだよね!君が丁度いい能力持ちだったから良かったものの、
最悪怪奇になっちゃうか、鬼怒川くんの呪いで死んでたからね彼!
運が良いんだろうなー、怪奇に神秘で対抗して勝っちゃうくらいだしなー。」
あ、あの、それで錦慈は……錦慈は大丈夫なんですか……!?
「ん?ああ、そうだね、とりあえず命に別状はないよ。まだぐっすりだけど。
ちょっと体に負荷かけすぎちゃったのかなー、片目の視力に異常が出ちゃってるけど
それ以外は五体満足!いや今時の子は頑丈だね!」
片目の視力に、異常……?
「うん、そうそう。色変わっちゃってんだよねー真っ黒になっててさ。
たぶん見えなくなってんじゃないかなあアレ。
まあ怪奇になりかけてたようなもんだし、エラとか生えてないだけマシだよ。」
そ、そんな……
「無理矢理なことをした結果だよ。言うなれば神を殺したバチが当たったんだ。」
……。
「ま、それで済んでるだけで良かったでしょって話!
とんでもないことに巻き込まれてたんだからねー、自覚ないみたいだけど!
君の体の方も今は動けてるかもしれないけど急にぱったり倒れるかもしれないから、
ちゃんとここの施設で点滴でもうってから帰ってね!」
……はい、すみませんでした。色々と……ご迷惑をかけて。
「次はないようにしようね!
あ、そう!次がないようにするために色々と君にも協力してもらわないとだったんだ!」
は、はあ、俺にできることならなんでもしますけど……
箱の管理以外にまだなんかすることがあるんですか……?
「することっていうか、許可取りかな。
大御門錦慈くんね、たぶん彼は次もやらかす可能性が高いからさ。
ある程度記憶の方に封をつけさせてもらうことになりそうなんだよ。
新しく鬼怒川くんに呪いをかけといてもらう、って形になるかな。」
記憶に封をするって、一体何を……?
「今回の原因は怪奇……オジロが接触してきたのがきっかけだけど、
彼があそこまで取り乱した理由は彼自身が大きく揺さぶられたことにある。
できればそういったきっかけになりそうな部分は潰しておきたいんだよ。」
はあ、つまり……?
「彼の心に影響を与えそうな記憶には、彼自身の精神が成熟するまでは
眠っておいてもらおうと思ってるんだ。……うん、まあバッサリ言っちゃうとね。
君関連の記憶はほとんど封印することになりそうなんだよね。」

……は?
「申し訳ないけど君の存在が一番彼の精神を揺さぶりそうだからね。
他にも何個か封をするっぽいけど……たぶん君に対する記憶を重点的にやる。」
それ、は……俺があいつにとって……嫌な相手だから、って、ことですか……?
「うーん、むしろ逆かな?君のことは信頼してたんだと思うよ。
だからこそ君が理解を示してくれないことに腹を立てたんだろうし。
まあ、君に関しては箱の管理者になるからっていうのもあるから。」
……なんだよ、それ……。
「すぐには同意し難いかもしれないけどここから帰る前には、
頷いてもらえると助かるかな!……おっと、一旦戻らないと!
じゃあ、点滴でもうたれながら心の準備しといてねー!またあとで!」
……。
…………。
……なん、なんだよ……。
……なんでこういう形じゃなきゃ、示してくれねえんだよ……
……あの、馬鹿野郎が……。
その後

「いやー、ご協力ありがとう!
君は面白い異能を持ってるねえ!
ここで研究職をしていても中々見ない類の力の持ち主だよ!」
あー……はは、そりゃどうも……
「神秘をただの箱の中に閉じ込めて置けるだなんてねえ!
この力、名付けるなら……魍魎箱、なんてのはどう?結構良くない?」
え、ああ、いいんじゃないですかね……?
それで、あの……
「ああ、はいはい!まだ軽い解析しかできてないけど、
とりあえずコレは君が持っていた方が安全だっていうのは確かです!
いやあ、観察中箱が開いたらどうしようかヒヤヒヤしたよね!
じゃあコレ、厳重に奥の方にでもしまっといてねー。うっかり開けたりしないように!」
……開いちまったらどうなるんです?
「まだその辺りは確信が持てないけど、たぶんえーっと……大御門錦慈くん、だっけ?
彼の元に閉じ込められてるものが戻る可能性がとっても高い!
つまりは、鬼怒川くんたちの報告にあった状態に彼が戻っちゃう、ってことかな!」
そう、ですか……
「いやーしっかし無茶するもんだよね!君が丁度いい能力持ちだったから良かったものの、
最悪怪奇になっちゃうか、鬼怒川くんの呪いで死んでたからね彼!
運が良いんだろうなー、怪奇に神秘で対抗して勝っちゃうくらいだしなー。」
あ、あの、それで錦慈は……錦慈は大丈夫なんですか……!?
「ん?ああ、そうだね、とりあえず命に別状はないよ。まだぐっすりだけど。
ちょっと体に負荷かけすぎちゃったのかなー、片目の視力に異常が出ちゃってるけど
それ以外は五体満足!いや今時の子は頑丈だね!」
片目の視力に、異常……?
「うん、そうそう。色変わっちゃってんだよねー真っ黒になっててさ。
たぶん見えなくなってんじゃないかなあアレ。
まあ怪奇になりかけてたようなもんだし、エラとか生えてないだけマシだよ。」
そ、そんな……
「無理矢理なことをした結果だよ。言うなれば神を殺したバチが当たったんだ。」
……。
「ま、それで済んでるだけで良かったでしょって話!
とんでもないことに巻き込まれてたんだからねー、自覚ないみたいだけど!
君の体の方も今は動けてるかもしれないけど急にぱったり倒れるかもしれないから、
ちゃんとここの施設で点滴でもうってから帰ってね!」
……はい、すみませんでした。色々と……ご迷惑をかけて。
「次はないようにしようね!
あ、そう!次がないようにするために色々と君にも協力してもらわないとだったんだ!」
は、はあ、俺にできることならなんでもしますけど……
箱の管理以外にまだなんかすることがあるんですか……?
「することっていうか、許可取りかな。
大御門錦慈くんね、たぶん彼は次もやらかす可能性が高いからさ。
ある程度記憶の方に封をつけさせてもらうことになりそうなんだよ。
新しく鬼怒川くんに呪いをかけといてもらう、って形になるかな。」
記憶に封をするって、一体何を……?
「今回の原因は怪奇……オジロが接触してきたのがきっかけだけど、
彼があそこまで取り乱した理由は彼自身が大きく揺さぶられたことにある。
できればそういったきっかけになりそうな部分は潰しておきたいんだよ。」
はあ、つまり……?
「彼の心に影響を与えそうな記憶には、彼自身の精神が成熟するまでは
眠っておいてもらおうと思ってるんだ。……うん、まあバッサリ言っちゃうとね。
君関連の記憶はほとんど封印することになりそうなんだよね。」

……は?
「申し訳ないけど君の存在が一番彼の精神を揺さぶりそうだからね。
他にも何個か封をするっぽいけど……たぶん君に対する記憶を重点的にやる。」
それ、は……俺があいつにとって……嫌な相手だから、って、ことですか……?
「うーん、むしろ逆かな?君のことは信頼してたんだと思うよ。
だからこそ君が理解を示してくれないことに腹を立てたんだろうし。
まあ、君に関しては箱の管理者になるからっていうのもあるから。」
……なんだよ、それ……。
「すぐには同意し難いかもしれないけどここから帰る前には、
頷いてもらえると助かるかな!……おっと、一旦戻らないと!
じゃあ、点滴でもうたれながら心の準備しといてねー!またあとで!」
……。
…………。
……なん、なんだよ……。
……なんでこういう形じゃなきゃ、示してくれねえんだよ……
……あの、馬鹿野郎が……。
