RECORD

Eno.60 千夜 理央の記録

花咲く烈火

まだしばらく思いを秘めているつもりでいた。
ましてや直近でショックな出来事があって、失いたくない直後だったから。
今はそのままの関係性でそばに居てくれればそれでよかったら。
俺の気持ちなど二の次で、ただ今のままずっと時が過ぎていけば。

でも君はそうでもなかった。

ひねくれものの君が。

自分の事をきらいになってくれというくらい俺の事を。

俺達に残された時間は少なかった。

だから。俺は。


―――――――――――――――――――花火は勝手に祝砲にして。

一緒にいられる残り少ない時間を、俺は恋人として共に過ごすと決めた。
来年はこの花火を共に見られないのは寂しさが少しだけ募るが。
今はそれを忘れ、彼女が北摩を去るまでの間。
この北摩にいる間に俺側もいい思い出をいっぱい作って土産話こさえてやりたい。
それが俺が彼女に渡せる最大の土産になるように。

とはいえ今はまだ先の話だ。
しばらくは共に居られるから今まで通り彼女との変わらぬ時間を過ごして。
そして時折少しだけ彼氏彼女としての時間を過ごすのかもしれない。
…これは惚気と言うのだろうか。

元々、ただのお互い距離感がおかしいだけのバイト先の後輩だと思った。
それでいいと思ってたけど、ふとした時に疑問を持ってから
俺がなんとなく意識しだしてすごく、なんか一方的に気になって。
そこから紆余曲折あって今に至る。なんだかんだで幸せ。

不束者だがよろしく、烏丸。