RECORD

Eno.530 莱 三十三の記録

#1 キミは癒やしになってくれないの?

ネコとかイヌとか、ペットの居る暮らしに
憧れを抱くような事は多々ある。
人間とは全く違う、善悪に囚われない中立的な存在の動物たち
かれらに一方的に語りかけるその時だけ、私はワガママになれる。
柔らかな皮毛に触れるその時だけ、あらゆる思考から解き放たれる。

かれらの魅力はその善意の無さ悪意の無さに多く詰まっている。
もちろんかわいらしい見た目に惹かれるのも人間の性ではあるのだけれど、
かれらが急に喋りだすとなると……

「い・つ・ま・で 喋ってんのサァーーッ!!!」


「いや、でもさ……講義終わりくらい好きにさせてよ。」


「いやも鍵屋も無いやい! ずっと外に出られてちゃ
 退屈で退屈で……どうにかなっちゃいそう!」


……このように、自分の不満をぶつけまくってくる猫がいるという事実に今、私は頭を抱えている。

せっかくヒバリさんに勧められて色々な人達と知り合えたというのに
こんな調子では、それ以上の交友関係を深める事にもだいぶ苦労しそう。

空を飛ぶネコのような存在、パステル
それはれっきとした、管理されるべき『神秘』のひとつであり、
決して世間に表出させてはならない禁忌の存在……なのだそう。

ならずっと檻の中に閉じ込めておくか?
と言われればそういうワケにもいかない。
パステルはどうしても、私から長い事離れたくはないみたいなのだ。何故か。

タブーを冒さず、行動の自由を侵さず……なんて 無理難題に思えるけれど
それもまた、パステル自身の特異な能力によって簡単に解決してしまった。

……どうしてネコが鏡になれるの?

……かわりに、私にかかるストレスは随分と増幅したものです。
いつまで続くんだろうなぁ?