RECORD

Eno.32 不藤識の記録

record.『anima』

 科学的には形・根拠のないもの。
 だが、存在すると信じられている、或いは無いと説明がつかないような事象が存在する。
 そういった認知から、魂が宿る、という現象が発生するのではないか。そんな考察を以前に聞いたことがある。
 魂とは何か。これについては個々の解釈や事象によって、その影響範囲が大きくことなるもの。実例も少なく、観測・統計は難しいので、その多くの考察が机上に成り立っている。

 例えば俺や笛理の場合は、ひとつの器にふたつの魂があるとも言える。魂、という大きな中身に対して、人の器では容量が足りず、そのままでは自壊するように。
 例えば、今回問題となったケンゴの件は、魂を怪奇に喰われたことで発生している。それにより、記憶障害や一部感情の欠路が見受けられることもある。

 後者の例を参考にすると、魂と記憶には深い関係があるといえる。単純な話で、魂を喪失する際に失われた記憶は、喪失した魂と密接に結びつくからだと。
 だがしかし、現代科学において人が記憶できる量には限界があるとされている。
 であれば魂の方にも同様に限界があるんじゃないか、と言えるのだが……
 前者に至っては根拠の無い話。
 他のケースでは共存できている例もあるのかもしれない。まだ未観測だが、有り得る話で。

 難しい話だ。結局、魂とはどういうものなのか。
 今、まさに直面している問題だというのに、俺には何も分からない。