RECORD
Eno.414 水貝 弥白の記録
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神秘も怪奇も嫌い、これは今だってそうだ。
裏世界が嫌い、危ないとこばっかり回らされるし…
ただ、あの草原みたいなところは風も気持ちよくて
悪くなかったと思う。
悪くないから、悪くあってほしい気持ちがぐらぐらして
こんなはずじゃないって体と頭がバラバラで混乱してる。
だから
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あのあと、流れ星で造ったナイフを手にして
自分の気持ちを確かめないといけないって思ったんだ。
裏世界は嫌いじゃないの?
>>2447490
「恥ずかしーだろ、こら」
外しはしないが解放されるまで握ったり開いたりして落ち着かない。
「依頼ばっかだとこっちが嫌いなままでいられたけど、
こうやって落ち着ける場所を知るほど、嫌えなくなるのが
昔の自分を否定してるみたいでモヤモヤすんだよなあ」
同じように空を眺める。昔聞いた夏の大三角は見つけられず
やっぱりここは表とは違うんだなあとぼんやり思いながら。
>>2450426
「あー、うん。去年さ、学校の帰りに怪奇に襲われたんよ。
囲まれて、何もできないまま一晩中酷い目に合わされてさ」
「俺の神秘が癒やしの力で、傷つく先からどんどん治っちゃうから
いつまでも終わらないのが嫌だったな」
だから怪奇も神秘もこの裏世界も正直嫌いなんだと、
そう淡々と語る。いつの間にか手は強く握りしめられていた。
神秘も怪奇も嫌い、これは今だってそうだ。
裏世界が嫌い、危ないとこばっかり回らされるし…
ただ、あの草原みたいなところは風も気持ちよくて
悪くなかったと思う。
悪くないから、悪くあってほしい気持ちがぐらぐらして
こんなはずじゃないって体と頭がバラバラで混乱してる。
だから
「……これ、ください」
隕鉄剣を指し示す。いくつかある中でも最も小ぶりな一振りを。
クレジットから必要な額を渡し、品を受け取る。
鞘に納めるとぐるぐるにタオルで巻いて懐にしまう。
ずしりと思い剣を抱えて店を後にした。
あのあと、流れ星で造ったナイフを手にして
自分の気持ちを確かめないといけないって思ったんだ。


