RECORD
Eno.106 芟花艾の記録

俺まだあそこらへんの区域でも苦戦してるのに…!
宣言通り萌花は無傷で帰ってきていて、無理をせずその成果。
心配だったはずなのに。この複雑なきもちは。

最近あちらに出入りし始めたという墨にしたってそうだ。
おかげで結局、依頼は滞りなく報告出来ているし
俺は、思っていたより出来ない奴らしい。
のんびり屋の、ベランダの花を想う。
この世界で生き抜くなら、人に頼ることも覚えるべきなんだろう
もちろんそれで、頼りっぱなしになんて甘えたつもりはないが。
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―――
あそこはこわいところだ、何度足を踏み入れても。
やっぱり、これからも、この現実から逃避をすると思う。
その先を、実は『理想』っていうんだろう。
こころを逃がす罪悪感が薄れた今は、少し、
がんばってるねって言葉を
いいお兄さんだねって言葉を
萌花は俺の事好きでいてくれるってこと
疑う自分の自信のなさを、少しだけ、疑える気がしてる。
お母さん。
お母さんの望んだようには行かなかったけど


遠い記憶にある花の香りが
祈るように、見守るように、どこかでしてた。
花の
香り が
𝘏𝘰𝘱𝘦 𝘉𝘦𝘨𝘪𝘯𝘴 𝘸𝘪𝘵𝘩 𝘢 𝘍𝘰𝘳𝘸𝘢𝘳𝘥 𝘚𝘵𝘦𝘱

「えっ、先週の依頼も無事納品した…?
そ、そう………」
俺まだあそこらへんの区域でも苦戦してるのに…!
宣言通り萌花は無傷で帰ってきていて、無理をせずその成果。
心配だったはずなのに。この複雑なきもちは。

「え?墨から届いた荷物もあって?」
「萌花にも送り付けてたの!?」
「あいつ………!」
最近あちらに出入りし始めたという墨にしたってそうだ。
おかげで結局、依頼は滞りなく報告出来ているし
俺は、思っていたより出来ない奴らしい。
のんびり屋の、ベランダの花を想う。
この世界で生き抜くなら、人に頼ることも覚えるべきなんだろう
もちろんそれで、頼りっぱなしになんて甘えたつもりはないが。
「二人って、似ている気がするよ」

「過程も、考え方も、立場も違うんだろうけれど。
逃げないんだね、二人とも」
―――
あそこはこわいところだ、何度足を踏み入れても。
やっぱり、これからも、この現実から逃避をすると思う。
その先を、実は『理想』っていうんだろう。
こころを逃がす罪悪感が薄れた今は、少し、
がんばってるねって言葉を
いいお兄さんだねって言葉を
萌花は俺の事好きでいてくれるってこと
疑う自分の自信のなさを、少しだけ、疑える気がしてる。
お母さん。
お母さんの望んだようには行かなかったけど

「俺、ちゃんとお兄ちゃん出来てるみたいだよ」

「ペチュニア、ようやく咲いたね」
遠い記憶にある花の香りが
祈るように、見守るように、どこかでしてた。
花の
香り が