RECORD

Eno.379 裏切 ミクリの記録

裏切家について…

これは友人にも言えない私の秘密。
誰にも語れない私の血筋の話。

私の家…裏切家は代々、主君となるもの側に付き、その命令を忠実に従い、主君に近づく害意を裏で切り伏せるが如く排除するのだ。

しかし、『裏切』という名字は我々が裏から主を支えるという存在だと証明するものであると同時に、一人でも我が一族の者が自身の主君を裏切れば末代まで消えぬ汚名となる首輪でもあるのだ。

そして、私もその一族の者として、最近、日常生活の中でも存在を薄くしている。

皆と話すのが楽しかった。
皆と何かをするのが好きだった。

けど、日向のようなあの優しい空間に入ろうとする度に逆らえない責任が喉を締め上げる。

そもそも…私が居なくても良いのではないか…誰も私に気づかないまま………

もし願いが叶うなら…あの空間とそこにいる人達が平穏を感じられるように居てほしい…