RECORD
Eno.188 柊 柑凪の記録

敬愛する、わたしの守護天使さまへ
この度はわたしの心配をしてくれてありがとうございます。
テスト勉強をあなたにお任せしたのは、ズルした気分ですけど。
責めるなら華憐おねーさまにしてくださいね。
また自分や華憐おねーさまがが同じことにならないか不安ですし、
わたしの親しい人を神秘によって失うかもしれません。
怪奇の襲撃なら、まだ守れる分余地があったのですけど……。
もちろん、危険が潜んでいるのは裏世界だけじゃありませんけどね。
北摩市が治安がいい街でよかったです。
話を戻すと、怪奇や異世界人は神秘を失いすぎると自分を保てなくなるそうですが、
逆に表世界の人間が神秘を帯びすぎると、その人は人間ではなくなってしまうそうです。
この現象は『現実離れ』と呼ばれています。
"蒼い隕石"との接触で暴走した華憐おねーさまや、
わたしが1週間目覚められず、あなたが生活を代行しているときがまさに
「人間が過剰な神秘により人間ではなくなった」状態だったのでしょう。
そう考えると、人間と怪奇の境目は、わたしが最初に思ったよりあいまいなのかもしれません。
人に親しい怪奇もまた、表世界で人間のように暮らせることがあるのですから。
わたしは不安に駆られつつも、神秘の探求を続けています。
神秘が空想から生まれることが、とても興味深いのですから。
世の中どこにでも冒険していい訳ではなく、何にでも手を出していい訳ではありませんが、
可能な限り、わたしは世界を知り尽くしたいのです。
それと、今後は力の引き出し方も考えなければなりません。
「守りたい」以外の方向になるとちょっと不安ですが、
神秘の根源は想像力であり、強くなるには如何に「わたしはこうあるべき」の枠を壊せるかだと考えています。
少なくともあなたは、それをやってのけています。
しかし力を得るごとに……わたしのかつての日常はどんどん遠ざかることになるでしょう。
その時、わたしは華憐おねーさまのことを思い出すのです。
彼女は、どこまで遠くへ飛んでいくのでしょうか。
わたしは、その背中に追いつくことを許されるのでしょうか。
カンナ
『守護天使さまとの交換日記』 Page21

おや、いつの間にかページが何枚か使われています。これは……
敬愛する、わたしの守護天使さまへ
この度はわたしの心配をしてくれてありがとうございます。
テスト勉強をあなたにお任せしたのは、ズルした気分ですけど。
責めるなら華憐おねーさまにしてくださいね。
また自分や華憐おねーさまがが同じことにならないか不安ですし、
わたしの親しい人を神秘によって失うかもしれません。
怪奇の襲撃なら、まだ守れる分余地があったのですけど……。
もちろん、危険が潜んでいるのは裏世界だけじゃありませんけどね。
北摩市が治安がいい街でよかったです。
話を戻すと、怪奇や異世界人は神秘を失いすぎると自分を保てなくなるそうですが、
逆に表世界の人間が神秘を帯びすぎると、その人は人間ではなくなってしまうそうです。
この現象は『現実離れ』と呼ばれています。
"蒼い隕石"との接触で暴走した華憐おねーさまや、
わたしが1週間目覚められず、あなたが生活を代行しているときがまさに
「人間が過剰な神秘により人間ではなくなった」状態だったのでしょう。
そう考えると、人間と怪奇の境目は、わたしが最初に思ったよりあいまいなのかもしれません。
人に親しい怪奇もまた、表世界で人間のように暮らせることがあるのですから。
わたしは不安に駆られつつも、神秘の探求を続けています。
神秘が空想から生まれることが、とても興味深いのですから。
世の中どこにでも冒険していい訳ではなく、何にでも手を出していい訳ではありませんが、
可能な限り、わたしは世界を知り尽くしたいのです。
それと、今後は力の引き出し方も考えなければなりません。
「守りたい」以外の方向になるとちょっと不安ですが、
神秘の根源は想像力であり、強くなるには如何に「わたしはこうあるべき」の枠を壊せるかだと考えています。
少なくともあなたは、それをやってのけています。
しかし力を得るごとに……わたしのかつての日常はどんどん遠ざかることになるでしょう。
その時、わたしは華憐おねーさまのことを思い出すのです。
彼女は、どこまで遠くへ飛んでいくのでしょうか。
わたしは、その背中に追いつくことを許されるのでしょうか。
カンナ