RECORD
日常のこと
研究の方はそれなりに順調だ。
検査法の論文を書いた教授と、少しだけ検査法の手法を変える…ような試みについて話して、その方向でまとめていくことにした。
それからは、誤差の方も暴れをみせなくなった。
『どうして』この手法である必要があるのか、というまとめ方をしなくてはいけなくなったのはやや(これはちょっと見栄だな。かなり、結構)大変だが、
先行きが見えなかった頃よりはだいぶ楽だと思う。
構造としては、ノイズを取る手段を一つ増やすこと…を新たに段階として設ける形となる。
ではなぜノイズが出るのか?なぜその手段を選んだのか?
…というところを追求して論文に加えるには、余裕のある三、四年次とはいかないだろう。
えらいせんせーにいわれたからです、とはいかない。
あとたぶんこれ、『もとの検査法に文句付けてるわけじゃなくて筋通してますよォー』みたいな突っ込まれにくさみたいなとこのためにも対談が必要だったのだろうな。
うちの教授には心底感謝しなくては。
土曜日はバーベキューだった。
いつもと変わったことといえば、施設内の屋上だったこと、あと…ああそう、フィッシュ&チップスをたべた。
さすがにこれは麦系統の味と合わせたくて(モルトビネガーとの相性がいいんだ)、未成年用にノンアルのビールを買っておいた。
購入は難しいみたいだけど、こういうところで少し楽しむ分には、たまには…いいと思う。
イギリス人監修の郷土料理に、麦の酒の味がないなんてちょっともったいないものな。
パンを買ってきてもらったのもよかった。
ラスクみたいにしたり、サンドみたいにしたり…皿がわりにつかって、肉のエキスが染みたのをぱくついたり。
この会は性別年齢問わずみんな食にかなり積極的で、発想の異なる工夫が色々出てくるのがうれしい。
そろそろあらためてチュンにお礼をしたいところ。
パンのお礼もちゃんとできていないのだ。何がすきかな。考えておこう。
裏世界のほうは…
うーん。どうだろう。上達とか、しているのかな?自分ではあまりわからない。
射撃訓練やなんかは進んでいるけれど、どうも、裏での防御や攻撃はけっこうな割合を白蛇のひとに担当してもらっているらしい。
教会で診てもらったところ、無理しているというよりは楽しんでいるようなのだけど―――
俺もそれは感じてはいるけれど、とはいえ、我慢してもらうように調整できないとちょっと危ない気がするし。
近々、対話のようなものができないか、なにか考えてみたいところだ。日頃のお礼も直接伝えられていないしな…
対話でおもいだしたけど、道祖神であるかたに裏世界で出会った。
奇遇にも、忘れ辻の道祖神とのこと…
ウン。たびたび傍に行くことになるだろうから、その都度お参りしていこうと思う。
身内がお世話になっているのだし、お花とか…お水とかかな。
買い物が上手くできるようになってよかった。
忘れ辻といえば、
うん。
これ書いていいのか?
うーん。
>>3222284
>>3221700
「ご店主ー! 今開けた箱の……あっ。
お帰りなさいま……せ……?」
裏で荷解きを手伝っていたメイド(男)、店主に呼びかけてからお客様に気付く。咄嗟に笑顔で挨拶したあと、
「……………、」
その表情のまま、凍りついた。
人間、メイド姿でバイトをしている最中に親しい先輩×2とエンカウントすると、判断力を失うのである。
>>3223033
「 」
突如、知人に似てるメイドがいると、思考を失うのである。
すごい…顔っていうか声も身長も立ち振る舞いも似てる…
うん。
あきちかがメイドだった。
具体的には、善阪のメイド喫茶部分のところのバイトにあきちかがいた。
そっかあ、とおもった。
これどうやって説明したらいいんだ。
いやでも、そういうしかないんだよな。そうなんだよ。ちょっとびっくりした。
案外似合っていた、というと本人は複雑そうな顔をしていたけれど、歴史上男が来ていた地域もあるのだ、と説明されれば「なるほど」と納得する程度にはさして違和感はなかった。おそらく、縫製も着付けもこだわりのあるものの手によってあきちかの体形や動きに沿うように調整されていて、彼と衣服が「浮く」ことの無いように馴染まされているのだろう。
和服を着るときにプロの手を借りると途端に美しく見えるそれに感覚が似ている。
もともと、作業着に近い意味合いの服であることや、ロングドレスに近いシルエットなのもあってか、体形の男性らしさというのはあまりハンデになっていないように感じた。どちらかといえば…動きが派手というか、足音がデカいというか、しかも大股だったりスカートが動きにくそうだったり、「ウエイターではなく搬入業者ではないか」といった端々の振る舞いのほうに目がいったので、あれはその点を考慮さえすればすぐに一人前のメイドになることだろう。あと、うーん。農作業してるやつだからそこはある程度妥協すべきだろうが、手の手入れかな。ハンドクリームとか贈ってやろうかな。もうすこし滑らかなふうに見えたら、全体的な優雅さが一段増すだろう。
……一人前のメイドってなんだろう。たぶん俺の家にいたよくわかんない家政婦(観葉植物に名前を付けて帰るだけのやつ)はそうじゃないと思う。
本人は非常に難しい顔をしていたが、この時代、服装の社会的規範など冠婚葬祭の場でさえなければあって無いようなものだ。過剰に恥じるのは他の文化の否定にもなるので、一度決めたならば堂々としていたらいいと思う。俺だっていち服飾好きとしては、プロの手があるなら着付けくらいは体験してみたいものだと思う。仕事の迷惑になりそうなので、控えておくが。
>>3235652
>>3243923
>>3245316
(そしてこれは呼ばれるまで後ろの方でキュウリの一本漬けを量産していたジジイ。なんか制服を褒められている単語が聞こえたような気がする、へへ…仕立て屋に頼んでなんやかんやした自慢の制服ですからね)
(コーヒーの方はメイドの方にお任せしつつ、料理の方をセッセと用意します。材料を切り、サンドイッチの具を和えパンにはさみ、水漬けパスタを茹で、手早くケチャップ諸々と隠し味を煮つめて具、パスタの順に入れます。お待たせしてはならない――爺が高速移動している…!)
「おまちどうさまでございます。坊ちゃまとそのご友人方…」
「この爺、気合を入れさせていただきましたぞ…!」
(数分もすれば、冷房の中ほかほかした凧さんウィンナーのはいったナポリタン、キュウリとブロッコリーの浅漬け添え。ピクルスとハムチーズ、刻み沢庵とツナをからしマヨネーズで和えたものが挟まれたサンドイッチが出てくることでしょう)
>>3235652
>>3243923
>>3245316
(そしてこれもまた、背後でコーヒーの焙煎とコーヒーを淹れる等を終えたメイド。店内状況を把握し、ああ…バレてしまっている…という顔をしていた。まあえも早かれ遅かれその時は来ると思ってたのよ…)
(暁近さんをちらっと心配そうに見つつ、)
「こちらアイスコーヒー、ホットコーヒー。お代わり自由でございまして、こちらフレッシュとお砂糖、ガムシロップを置かせていただきますね。――来ていただき嬉しいです」
(それぞれを置きました、ごゆっくりどうぞ…)
ご飯は最高に美味しかったから、総合的にはまあ、全然よかったんだけど。
でも友人のメイド姿見ながら食べるナポリタンって複雑な味がするものだな。
いや普通に複雑な味わいだった(ヤンニョムを少し下味に入れてるんだって)んだけど。
でも善阪さんたちに直接漬物や食事の感想が言えたのはうれしかったし、
ウィリアムがちょっとずつめいど喫茶に馴染んでたのもよかったし(あと母語でめちゃしゃべってるのもよかった、良い話すぎ)
あきちかが客の前に出る勇気がでてきてそうなのも、なんか、うれしかった。
行ってよかったな。
「昨年よりももっと芯のある人間になる」
七夕の短冊には、そうやって書いた。
願い事というよりは、決意表明だけど。
ウィリアムはなんて書いたかな。
(一緒に書こうと誘ったのだ)(俺はさいきんグイグイ行き過ぎている気がする。甘えもほどほどにしたほうがいいかも)(でも甘え方知らん奴に甘えろって言うのは難しくないか?)
どこまでが無理で、どこまでが許容で、どこまでが歓迎だろう。
わからないなりに考えていきたい。



