RECORD

Eno.21 一陣雷者の記録

1. 某日 久茂里の日記

今日は記念すべき日
雷者がついに裏世界へと踏み入ったのだ。

あの子は怪奇にもおそわれたようだが自らの力で切り抜け、私の元へと帰ってきた
私がよく知るのとは違う、もう一つの姿で
綺麗な紫の毛皮 たくましくもしなやかな四肢 絶えなく奔る小さな稲光
それと、黒と白の髪

雷者は私の子なんだ!
あの人と私の血があの子の中に流れ発現している!

これが間違ったことであろうはずがない。
雷者が生きていけないというならそれはこの世界が……いいえ……人間の方が間違っている

あの子の命が尽きる前に人がこの世界を愛せるようにしなくてはならない
今不自然とされているものが自然になりかわれるほど
すべてをありのまま受け入れられるほど
強い強い愛を
全ての人間に持たせなくてはならない
そうすれば表と裏の世界だって一つになるわ

あなたは死なせない 雷者
愛しているわ