RECORD

Eno.96 加瀬秋日佐の記録

検査


「詳しい検査結果は後日になります。
一週間後以降に再度お越しいただくか、郵送も可能ですが、いかがいたしましょうか」

「かしこまりました。それでは詳細につきましては再びお越しください」



「では、検査結果を待たずにお伝えできることを」

「まず第一に、『神秘率』の計測をしっかり行うようにしてください。
神秘率という言葉はご存じでしょうか。神秘に干渉した場合、人の肉体は神秘を帯びます。
その割合を示すものです。計測する機械がありますので、ご利用ください」

「はい。加瀬さんはあまり神秘を帯びるべきではありません。
こちらは体質の問題です。頭痛の症状はそのためである可能性が高いです。
ただし、他の要因も考慮すべきなので、そちらは検査結果をお待ちください」

「瞳については加瀬さんの触れた神秘の影響でしょうが、同様です。
そちらに関しても神秘率を抑えれば改善される可能性が高いです。
ただ、沈着すれば難しくなるかと思いますので、なるべく早い生活習慣の改善を推奨します」


「加瀬さんは確かに何らかの神秘の影響を強く受けています。
先ほどお伺いしたことの他に、何か思い出すことがあればご連絡ください」

「はい、血液ですか?そちらは検査結果をお待ちいただく必要がありますね……」




診療所を出れば変わらぬ夕暮れ。


「そんなん言われてもちゃう?」

「……とは、言い切れんか…………」


ポケットに手を突っ込んで、場所を思い出して当然やめた。


「まあ、いったん今はええわ」