RECORD

Eno.26 朔 初の記録

CASE:15



「あ、朔さーん」

「…?はい、なんでしょう、XX先輩」

「朔さん、前部長から期待かけられてたっしょ。私たちもそうでさ」

「えっと、……ありがとうございます」

「いやいや!朔さんの努力あってのことだし。部長もそこがすごい〜って言ってたから」

「で、それでさ、提案なんだけど…2年の練習に混じってこれからやってかない?」

「?…1年の練習メニューじゃなくて、2年生と…ということであってますか?」

「そう!どうかな」

「………」

なんか変だと思った。
なんか違和感あると思った。
これは不信だと思った。


でも、それは過去から生まれるものだった。
過去の誰かへの不信から生まれていた。
そんなんじゃダメだった。
認められたなら、前に進めるなら。
それを手に掴まないと。

可哀想な子が周りに認められる。
物語みたいで素敵じゃないか!




「………」

わかりました


そろそろ、日暮れも短くなるのが近かった。
夕暮れ時の、色が嫌い。





「えー?!先輩に呼び出されてたと思ったらそうなんだ!」

友人が声を上げて、目を輝かせた。
私も、へえ、とか、はえ、とか、声を漏らしていたと思う。
あの子は選ばれたようだった。
その努力を。

はにかむように、小さく縮こまるあの子を見ながら、もっと自信持ちなよ〜、と友人は背中を叩いていた。

あはは、と笑い声が帰り道にこだまする。



あの子はこの輪っかから離れるのだろうか。
友人の方をチラと見た。

なんか、ちょっと悪い気持ちが吹き出しそうになって。
結局、それは塞がれた。